
ヒスタミンといえば、アレルギー物質が入ってきたときに、皮膚のマスト細胞から放出されるもので、体内ではヒスチジンから合成されてマスト細胞に貯蔵されます。ヒスタミンは自らの体内で合成されるものが大半を占めており、魚介類ではヒスタミンを溜め込んでいる場合もあるので、稀にアレルギーのような症状が出る事もあります。 スポンサードリンク
◇ヒスタミンと抗原抗体反応
通常はヒトのマスト細胞から放出されて、「アレルギー物質が体内に入ってきましたよ」とお知らせする神経伝達物質がヒスタミンであって、ヒスタミン受容体に届くことで鼻炎や気管支炎にアレルギー反応を起こします。
胃壁の受容体にヒスタミンが結合するのを防ぐ作用を持つものが、H2ブロッカーのガスターが有名なもので、胃酸の分泌を抑えます。
他のヒスタミンは中枢神経から分泌されて炎症やアレルギー反応を起こします。中枢神経からはヒスタミンだけでなくノルアドレナリン、セロトニンなどの放出が起こります。抗ヒスタミン剤によってそれぞれのヒスタミンをブロックする作用を持っています。
通常はアレルギー反応として、外部から侵入してきたヒスタミンを抗原として外部に戻すというのは、抗ヒスタミン剤の作用としての働きです。
◇細菌が産生するヒスタミン
必須アミノ酸のヒスチジンを含んだ赤身魚を食べた場合、ヒスタミン中毒としてアレルギーに似た反応を起こして皮膚に発疹が出来ることもあります。特にサバ・カツオ・サンマ・マグロ・アジなどの赤身魚で、アレルギー様食中毒を起こすことがあります。
細菌によって魚の中でヒスタミンが作られていますが、それは中毒の原因にはなりません。サバの場合は抗原抗体反応ではなく、細菌の感染症です。
魚や肉による食中毒の症状として嘔吐、腹痛、蕁麻疹などの食中毒症状を起こします。最初は抗原抗体反応が見られないのでアレルギー反応とはいえません。ヒスタミン生成菌がヒスタミンの前駆物質ヒスチジンは酵素によってヒスタミンを産生すると、魚類の体内に大量に溜まっていきます。
◇魚には含まれないヒスタミン
魚類にはある程度のヒスチジンが含まれていますが、釣り上げた時にヒスタミンを持っているわけではありません。その後に細菌によってヒスチジンが分解された結果、ヒスタミン中毒を起こします。
ヒスタミンが魚に多いとしても、産生菌が繁殖しているので、ヒスタミン中毒とはいえ、ヒトに影響を与えるものはヒスタミン産生菌の方です。魚が腐敗すれば臭いでわかりますが、ヒスタミンは分かりません。
また、ヒスタミンは加熱調理を行ってもそのまま残ります。
◇ヒスタミンは有害物質?
子供の場合は抗体反応が過剰であることも考えられるので、アレルギーによる咽頭浮腫の防止が必要です。納入業者には特に注意を払って赤身魚に限り、ヒスタミンの検査結果を提出させるなど、万全の態勢でアレルギー防止を図っています。
例えば給食で魚を口に入れる時に、咀嚼をして飲み込む場合は口蓋垂や口蓋扁桃などの免疫器官に接しない場合もあるので、アレルギー反応とは言わず「ヒスタミン中毒」と言います。
某メーカーがヒスタミンの許容量を超えた商品を自主回収しましたが、メーカーのヒスタミン含有基準値としては、50ppm未満に設定しているようです。

コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。