心不全防止のための手段と生活習慣改善

sindenzu

血管を持つ哺乳類のヒトは、ほとんどの疾患に血管の質が影響します。血管の疾患が影響すると急性心不全や慢性心不全が起こり、血液の循環が悪くなると慢性的に悪循環が続くことになります。その意味では血管の柔軟さと拡張性を上げるために、生活習慣病の改善を行って血管年齢を若く保つことが大切です。

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◇そもそも心不全とは何?

心不全とは心臓のポンプ機能の低下が起こり、血液の拍出量が減少すると、血液がうっ滞を起こしやすくなります。一般的にすべてをまとめて「心不全」と表現しているので、何のことかわからないかもしれません。心機能の低下を招く可能性のある心疾患の全てが心不全の原因になり、慢性的に進行していく心不全と急性の心不全があります。

心不全が起きる割合は1%前後と言われ、かなりの多さです。急性心不全の病人は街を歩いているとよく目にすることがあるもので、本人は心臓の痛みを感じて、慌ててニトログリセリンの錠剤を飲んで血管拡張を図ろうとしますが、効果が無ければどうすることもできないという状態です。この様に心不全は死につながることが大半です。

◇心不全から心停止、助けると逮捕も

心不全に至るような疾患を持っていれば、ほとんどが心停止の可能性のある高齢者です。本人がアドレナリン(和名)の自己注射器を持っていても、家族の了承を得なければ代理注射はできません。その場で打てば助かるので、それをすると代理医療行為にならず犯罪行為として現行犯逮捕もあり得ます。

外出先で心不全による心肺停止に陥っている人を見かけても、安易にAEDを使って命が助かったとしても、「延命拒否の意思」を伝えている可能性もあるので、家族に確認しなければいけないという面倒な法律があります。教習所で習ったCPR(心肺蘇生)はむやみに行ってはいけません。

◇心不全の患者を助けるべき?

医師法と薬事法を無視して、心不全の発作を起こした患者を助けて逮捕されるというのも嫌ですね。その先は損害賠償請求の裁判になるのでしょうか?ニトログリセリンを自ら飲んだという事実が証明された場合は責任問題にはなりませんが、そこまで他人の行動を把握できません。

現在の日本の法整備が行われない限り、「延命の意志確認と代理注射の優先順位確認」は必要になります。確認した結果、注射を打つ順位が自分であれば、打たなかった場合に責任問題になります。

中国人が怪我人を放置するという対処法は、日本の救急医療より10年ほど進んでいるような印象を受けます。

心不全はこのような事態に直結する問題でもあるので、心肺蘇生不要の意思表示と自己注射の代理権は誰に委任するのか明確に表記しておくべきかもしれません。胸の辺りにマジックで書いておけばAEDを使うときに分るでしょう。

◇心不全の原因と治療法

冠動脈が完全に塞栓を起こすと心筋の壊死を起こして「心筋梗塞」になることがあり、急性心不全の場合は心室細動による心停止など、最悪の状態を招くことがあります。

心臓を取り巻いている冠動脈と栄養血管にプラークが出来て血栓ができると、血液の流量の減少や血液の滞留などが起きやすくなり、心筋梗塞があると心筋の壊死が始まります。血管の狭くなった部分では血圧が上がるので血栓も飛びやすくなります。

心筋は一度壊死すると、皮膚のように再生や修復が行われないので、再生医療で実用化されている自分の細胞から作った心筋シートを貼ると治ります。しかし、そこまで悪化する前に生活習慣の改善を行う必要があります。

◇心臓肥大と生活習慣病

ポンプ機能が低下すると拍出する血液量も下がります。そのため血管拡張剤や心停止の前兆の時のために強心剤が処方されます。心臓が肥大して心拍数の増加それをカバーしようとします。これは肥満の人に多い症状で、逆に心臓に負担をかけるのが一般的です。心臓に負担がかかるほど心不全の可能性が高くなります。

負担が増えて心臓の大きさが胸の横幅の50%を超えると危険です。冠動脈は心筋収縮によって圧迫を受けていますが、心肥大によってさらに圧迫されることになります。骨格筋の筋肉が縮小して血管の収縮と拡張に支障が出れば、心臓が肥大する一方であり、強心剤を常に携帯することも必要になってきます。または、心室細動による突然死防止のための除細動器付きペースメーカー(ICD)を埋め込む必要もあります。

◇ 血管に与える影響

また、高血圧や脂質異常症・高コレステロール血症・糖尿病が血管に与える悪影響が大きくなります。生活習慣病の悪化に伴って血管内が狭くなり、柔軟性を失うと血管拡張剤も必要になります。

生活習慣病が血管に与える影響は心臓の肥大があれば、血圧の上昇によって無理に血液を流そうとします。血管がコレステロールによって狭くなると、同じく血圧が上昇します。慢性の心不全の場合は程度によって対策を行う必要があります。

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