誤診の多い「肺アスペルギルス症」の診断と治療

ウイルス

真菌(カビ)の感染といえば、水虫の白癬菌やカンジダ菌などが良く知られているもので、皮膚に感染するので表在性真菌症と言われています。真菌感染症の中で最も多いものはアスペルギルス症で、認知度の低い真菌ですが、全ての真菌の中で約半数以上を占めて、日本人の感染者も次第に増えています。

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◇ 肺アスペルギルス症の認知度

肺真菌症といえば、アスペルギルス真菌の感染症のことを指します。アスペルギルス属の胞子は土壌を含め、エアコンなどの吹き出し口やハウスダストとして最も多く存在している真菌で、健康な人は毎日吸い込んでいるものです。通常の抵抗力があれば胞子を吸ったところで感染する事はありません。

しかし、病院などの免疫力が低下した患者や高齢者が多いところでは容易に感染して肺や副鼻腔で繁殖することが多くなっています。感染者は多いものの、アスペルギルス属の認知度の低さから医師が知らないケースもあり、誤診の後の培養の結果「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症」と診断されることもあります。

◇ 肺アスペルギルス症の感染原因

生活空間のいたるところに存在するアスペルギルス属の胞子を吸い込むと、一般的にアレルギー症状を起こしますが、深在性真菌症として肺や気管支、副鼻腔などに感染を起こして増殖する場合があります。

特に免疫力低下の原因になる抗がん剤を使っている患者、HIV感染者や自己免疫性疾患の治療に免疫抑制剤を使っている場合、白血病で免疫系が弱っている人であれば、真菌であっても感染症状を起こすことがあります。

◇ 肺アスペルギルス症の種類と症状

肺アスペルギルス症は症状によって慢性型、急性型、アレルギー型に分類されます。慢性型は肺の老廃物を栄養源として繁殖する「腐生菌」であるため、症状が出ない場合もあります。

一般的な肺真菌症の原因としてのアスペルギルス真菌は、肺の組織を侵襲することもなく、慢性空洞性肺アスペルギルス症では肺に空洞を作るタイプで経過が遅く、組織に炎症を起こすものの侵襲は見られないというもの。

慢性壊死性肺アスペルギルス症では、進行が早く肺を破壊するというもので、組織に侵襲が見られます。腐生菌として侵襲しない真菌にしては矛盾しているような現象を「条件的寄生菌」と呼び、正常な細胞を酵素で分解するタイプもありますが、症状に差が見られないのも嫌なところです。

症状としては侵襲の有無に関係なく、咳嗽や喀痰、倦怠感、発熱、呼吸困難などがあり、憎悪と感懐を繰り返します。侵襲が急速に進む場合はまれに喀血を起こしたり、他の場所に転移して致死的な状態になることもあり、元々肺に疾患のある患者の場合は早めの治療が必要になります。

◇ 肺アスペルギルス症の診断と治療

侵襲が広範囲に広がり症状の悪化が早い進行性の場合は、症状に対しては抗生物質やステロイドを使い、抗真菌薬で治療を行っていきます。

気管支喘息や気管支拡張症と間違われることが多く、その場合は抗真菌薬が投与されないので悪化する一方です。患者側もご注意を。

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