門脈血栓症による門脈圧亢進と治療の難しさ

byouin2

門脈系の血管の中でも、腸から肝臓の門脈へと延びている血管に血栓ができて閉塞を起こした場合、門脈血栓症となり血栓溶解剤によって血栓を溶かすことを行います。門脈が完全に詰まってしまって梗塞を起こすと、静脈瘤や肝不全に進行します。

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◇ 血栓が出来る門脈とは?

門脈とは小腸や大腸、すい臓、脾臓などに枝分かれした血管を通して、肝臓に送る役割を持ち、静脈系に分類されます。WAIS-Rか心理テストか忘れましたが、ヒトが持つ「3種類の血管」を聞かれて「動脈・静脈・門脈」と勘違いする人はなぜか看護師に多いようです。

そのややこしい静脈系の門脈は、人間の場合は肝臓の内と外にあり、脾臓や小腸・大腸とつながっています。

脾臓からは赤血球や血小板を肝臓に送る「脾静脈」があり、小腸や大腸の消化管から吸収した栄養分を肝臓に運ぶための血管である「上腸間膜静脈」と
「下腸間膜静脈」から肝門脈に送られて、肝臓で処理された後に肝動脈から大静脈に送られます。

◇ 門脈血栓症の症状

その静脈系の門脈に血栓ができても、通常は無症状のまま経過します。肝硬変があると4分の1は門脈血栓症を起こしますが、肝硬変や門脈血栓症は無症状であることが多く、その時点ではほとんど気付くことがありません。

血栓が出来て次第に血流が悪化していくと、門脈圧の亢進が原因で脾臓が腫れたり、食道や胃に静脈瘤が出来たりする事があります。静脈瘤の破裂により食道や胃から出血が起きると、そこで初めて門脈血栓症の可能性が疑われることがあります。

◇ 無症状どころか突然の大出血

門脈圧が上がっている場合、門脈から消化管につながっている血管の流れが阻害されて消化管出血を起こすこともあります。動脈瘤が大きいと出血量も大量になり、動脈瘤の場所によっては吐血することもあります。

分かりやすい症状が大出血や吐血という劇的な形で現れることがあるので、血液の凝固が示唆されるような腫瘍やガンなどの疾患を持っている場合は、早めの診察と薬物治療を受ける必要があります。

といっても、自覚の薄い病気なので、なかなか医療機関を受診する事はないかもしれません。門脈亢進症だけを専門に扱っている「日本門脈圧亢進症学会」などという学会もあるくらいで、説明の難しい門脈亢進症です。

◇ 門脈血栓症の検査と治療

肝硬変がない門脈亢進症では、血液検査でも異常は見つかりません。腹部エコーやCT、門脈系血管造影によって血栓を発見することができます。門脈圧が亢進していれば、食道または消化器の動脈瘤が見つかるのが一般的です。

それと同時に門脈内の血栓の場所の特定が行われて、血栓溶解剤で血栓を取り除くことが行われます。

静脈瘤が見つかれば、β遮断薬によって血圧を低下させて出血を防止しながら、外科的治療によって肝臓を迂回させる血管を作るシャント形成術が行われることもあります。

血栓を取り除いたとしても、血栓症は再発を繰り返すため、予防のためにワルファリンやヘパリンなどの抗凝固剤の服用を長期間にわたって続けることになります。

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