慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)とは?

byouin2

人気声優の松来未祐(38)が2014年10月に“EBウイルス感染症”で亡くなられました。EBウイルス感染が判明するまでに1年以上を費やしたと公表しています。2013年に首のリンパ節の腫れの自覚症状から始まり、癌や感染症などの検査を受けながら「異常なし」の診断が続き、造血幹細胞移植を行えなくなったのが手遅れになった原因です。

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◇ 患者の努力を無駄にする医療

90%を超える成人が感染して抗体を持っているEBウイルスとは、乳幼児期に感染するのが一般的で、発病する確率は100万分の1と言われています。彼女は2013年に首のリンパ節が腫れて39度台の高熱が出たため、複数の病院で検査を受けましたが、どの病院でも異常なしという結果でした。

慢性活動性EBウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)の疑いがあるとわかったのが2015年6月のこと。免疫細胞に感染して増殖するという非常識なウイルスなので、最初に首のリンパ節に症状が出たかと思われます。しかし、専門医がいる病院を紹介されてEBウイルス感染の疑いありとわかるまでに、発病から2年ほど経過しています。

◇ 緊迫感のない日本の医療

そして、7月2日の診療予約日の数日前に肺炎に陥り、呼吸困難で救急搬送されますが、抗がん剤治療しか残されていない状態に陥ります。本来なら診療予約などしている場合でもないですが、抗がん剤を使った後は造血幹細胞の移植をしないと何の意味もありません。

精神的、肉体的苦痛の多い抗がん剤治療は、以前は他に策が無い場合に限って行われていたもので、今では単なる気休めにしては苦痛が多く無駄な治療です。6月30日の緊急入院から抗がん剤治療を経て9月に退院したのではなく、最後は自宅で過ごすという選択を行ったと想像できます。

その2週間後に容態が悪化して10月27日に亡くなりました。この場合、抗がん剤を使う意味は無く、対症療法と疼痛緩和が常識です。何を考えて抗がん剤を使ったのか知りませんが、末期医療で苦痛を与えた医師として有名になりそうな感じもします。

◇ 慢性活動型EBウイルスとは?

通常のEBウイルスはアフリカで最初にヒト感染が確認されたウイルスで、ヘルペスウイルス科に属するものです。3歳までに約70%程度が感染して抗体を持ちます。成人では約90%が唾液感染により、抗原に触れて生涯免疫として抗体が作られると二度と感染が広がることはありません。

リンパ球のうちのB細胞という抗体を作る細胞の中でEBウイルスが潜伏感染を起こして、ヒトの生涯にわたって潜伏したままですが、免疫力の極端な低下や上咽頭に腫瘍ができた場合にウイルスが活発になることがあります。これが100万人に1人の割合で起こります。要するに首のリンパ節が腫れて発熱を起こします。

それが慢性活動型EBウイルスの場合、根本的な治療を行わない限り再発を続けるというイヤな性質を持っています。慢性活動型EBウイルスが活発になり、B細胞だけでなくT細胞やNK細胞などの免疫細胞に増殖していくと、免疫細胞の役割を果たすことができないだけでなく、最初にリンパ節で増殖して腫大を起こします。

ウイルスに対抗するために発熱を起こして免疫力を上げるのが、ヒトの免疫系ですが、免疫細胞が侵されて異常増殖をしているため、上咽頭から下咽頭、気管支、肺へと感染が広がっていくと呼吸困難を起こします。

◇ 慢性活動型EBウイルスの検査と治療

首のリンパ節が腫れていればEBウイルス感染症を疑って、血液中のEBウイルス量が異常な高値であればほぼ確定です。

通常の治療としては、免疫化学療法に次いで、抗がん剤を前処置として使用、その直後に造血幹細胞を移植します。

抗がん剤の投与で苦痛を与えただけ、というのは何だったのでしょう?

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