凍傷の原因と症状、治癒に至るまでの経過とは? | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

凍傷の原因と症状、治癒に至るまでの経過とは?

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凍傷にかかると病院ではひたすら皮膚を清潔に保つことと、風呂で体を温めるということを行います。そして痛みのコントロールを行いながら治癒を待つというのが一般的な処理です。しかし、一部でも壊死があると切断の必要が出てきます。さて、何のための切断なのでしょう?

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◇ 凍傷の原因と症状

極寒の地からマイナス4℃程度の外気温によって、皮膚が冷凍された状態になると細胞膜の中にある細胞質の水分が凍結して、細胞が破壊されることがあります。体温を上げるために血管が収縮を起こして血液と血管壁の摩擦によって体温を上げようとしますが、逆に血流量が減るので皮膚の壊死が起こりやすくなります。

壊死した部分は一時的に血流が止まりますが、温めるなどの処置によって血液の流れが再開されて、壊死した部分の血流が正常に戻る(再灌流)という状態になります。

◇ 凍傷から壊死を起こすと?

筋肉でヘモグロビンから酸素を受け取るミオグロビンが壊死した組織から流れ出して炎症を引き起こすのも問題ですが、壊死した部分が多いほど腎臓に詰まります。最悪の場合は腎不全の原因になり、さらには多臓器不全を引き起こすこともあります。

そこまで悪化しないとしても、糖尿病や動脈硬化の持病がある人の場合、血流障害によって壊死を起こしやすく、靴を履いていれば壊死があろうと気付かないという危険な状態になります。そこから血流障害がさらに悪化して壊死の範囲が広がることになります。壊死の可能性があれば靴下を脱いで目視による確認が欠かせません。

壊死を起こすと手足の切断必要になるというのは、血流が戻ることで有害な物質が血管内に流れ出すことを防止する意味で行われます。電解質であればカリウムが流れ出して高カリウム血症になり、致死的な不整脈である心室細動の原因にもなります。

しかし、これは挫滅症候群の場合であり、救急医療の中でも「がれきの下の医療」と言われるものです。治癒に向かっている場合もあるので慎重に経過を見る必要があります。

◇ 抗生物質を使わず治療

皮膚の状態は見た目では分かりにくい場合もあります。凍傷寸前なのか、治癒が期待できるのか判断できない場合でも、翌日になると壊死が判明ということもあります。

病院での治療に限り、37℃のぬるま湯で全身を温めることを行います。温めた後は皮膚の湿潤療法が基本です。皮膚を洗って乾燥させた後は、時間の経過や凍傷の範囲、重症度によって処置が異なってきます。

ラップを巻いて済む場合や包帯を使うこともありますが、患部の感染を防ぐことを最初に行います。抗生物質は使わず患部を清潔に保つだけで十分な治療になります。モイストヒーリングともいわれて、凍傷や火傷に対する基本的な治療法です。

壊死部分の痛みに対してはオピオイドやモルヒネの静脈注射を行い、その後はNSAIDを使うのが一般的です。ボルタレン(ジクロフェナクNa)が血圧を下げてズキズキした血管性の痛みに効果があります。

◇ その後の処置と切断の判断

体温より少し高めの37℃~40℃の風呂に何度も入り、その後は患部を清潔に保つだけです。足の血行を改善しながら治癒を待ちます。場合によっては高圧酸素療法も無駄ではないかもしれません。

自宅の風呂では40℃~42℃の設定でも問題無いようです。入浴を繰り返す毎日を数か月間継続すると治るのが一般的です。しかし、画像診断により壊死を免れないと判断された場合は、切断の必要があります。

壊死した細胞は元に戻るわけもなく、感染を起こしやすい状態です。感染によって細菌が血管内に入り込むと敗血症という血液の感染症を起こすため、その予防として切断しか選択肢はなくなります。自分の足が新しく生え変わる再生医療に期待しましょう。

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