腸重積特有の症状と、紛らわしい感染症

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生後3か月~3歳の乳幼児に多い症状で、風邪症候群の症状の一つとして回腸から大腸に移動したところにある、回盲部のリンパ節の腫れが腸重積を招きます。腸重積とは空間を持った腸(メッケル憩室など)や、腸の中に腸が入り込むことで内容物の通過が阻害されます。腸捻転と同じように腸閉塞や血流を阻害して腸が壊死を起こす原因になります。

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◇ 乳幼児の腸重積の原因

乳幼児の場合は、主に回盲部のリンパ節が原因になりますが、「回盲部とはどこ?」という疑問はあると思います。「盲腸の上」といっても分かりにくいですね。

胃から肛門に至る消化器の構造として、胃を通過した食物は十二指腸を経て、小腸、回腸、その先に回盲弁があり、小腸への逆流を防いでいます。

回腸の先から大腸になり、盲腸、上に向かう上行結腸、横行結腸、下向きに移動する下行結腸、その先の捻じれやすく弛んでいるS字結腸を経て、直腸、肛門となっています。

※ 盲腸と虫垂は同じものと考えている人も多いようですが、盲腸を切ってしまうと虫垂も同時に切除されるので、勘違いをされるのかもしれません。

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乳幼児の場合、感染症などがあると回盲部のリンパ節が腫れる事が多く、小腸から大腸に内容物が移動する際に、回盲弁付近のリンパ節が腫れると腸重積を起こしやすくなります。特に小腸、回腸、大腸の内側にはリンパ節が多く、「集合リンパ小節」「孤立リンパ小節」の形で分布しています。

扇状の血管網が腸に張り巡らされていますが、血管の一部や神経が腸重積によって圧迫を受けると腹部の血流が完全に止まることがあります。腸の閉塞と血流の阻害が2時間以上続くと、その付近の腸だけでなく、腹部全体の血管に影響します。

血流阻害により腸の壊疽が起きると、感染症の原因菌や腸内の常在菌が血液中に混ざって敗血症を起こします。一般的に腸重積が起きた時点で激痛や嘔吐が間欠的に起こるため、意思表示のできない乳幼児の腸閉塞の疑いがある場合、出来るだけ早く消化器科に連れていく必要があります。

◇ 乳幼児の腸重積の症状

意思表示ができない乳幼児の危険な腸重積に気付くために、腸重積特有の症状を知っておく必要があります。もちろん成人でも起こります。

乳幼児がお腹を押さえて痛みを訴えることがあり、同時に嘔吐も起こります。痛みと嘔吐の発作が20分ほど続いた後は機嫌が悪くなったり、無気力になりぐったりすることがあります。この発作的に起きる痛みと嘔吐は間欠的ですが、次第に症状は悪化しています。

穿孔があれば、血便や嘔吐物に血液が混じることもあります。感染症の有無に関係なく発熱が続きます。何度も繰り返す嘔吐の場合は、腸の内容物が逆流しているので便のような「異臭」があるのが特徴です。

◇ 腸重積に似た症状の感染症

腸重積と同じような症状の感染症がいくつかあります。乳幼児など意思表示が出来ない時では心配になりますが、あまり神経質にならなくてもいいと思います。腸重積の症状が見られたら、ためらわずに救急車の要請を行いましょう。

1)O-157を代表的な細菌として挙げられる「腸管出血性大腸菌感染症」の症状は3~8日の潜伏期間を経て、軽い腹痛と何度も続く下痢ののちに症状が治まっていくのが一般的です。血便があると溶血性尿毒症症候群の危険もあり、脳症へと悪化していくこともあります。腸重積があれば下痢の頻度ははるかに少ないので、分かりやすいかと思います。

2)ロタウィルス感染症も、腸管出血性大腸菌感染症と同様に下痢が多くなっているので、腸重積症と異なります。

3)クローン病と勘違いされることも稀にありますが、共通する症状は、小腸と大腸に炎症がある場合、発熱・下痢・下血・腹痛・倦怠感などが似ている症状なので、紛らわしいところもあります。腸重積と判別できるポイントとして、口内炎と肛門の病変はクローン病特有の症状です。

4)腸重積症を合併する感染症として、アデノウィルス、腸管出血性大腸菌、ロタウィルスの感染症などが稀に見られます。生後6か月~5歳未満の小児や乳幼児の症状が悪化すると腸重積を起こすことがあるので、下痢が止まったからといって安心できるとは限りません。

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