起立性調節障害と小中学生の不登校の関係

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小学生や中学生に多く不登校の原因になる起立性調節障害(OD : Orthostatic Dysregulation)とは、自律神経の異常が原因となって起きる症候群のことで、立ち上がった時に一時的に血圧が下がり、脳への血流が低下した結果、貧血や立ちくらみなど、多くの症状が出てきます。起立性低血圧と症状は似ていますが、起立性調節障害の方が症状は深刻です。

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◇ 起立性調節障害の原因と症状

立ち上がった時に、慣性と重力によって下半身に血液が溜まった状態になり、脳への血流が維持できなくなった時の症状を4起立性調節障害といいます。通常は自律神経が拍動を早めて、脳の血流を維持するために血圧を上げる方向に働くのですが、朝の場合、それを補う交感神経が眠っている状態が続くと脳への血流が減少します。

通常は上がるべき血圧が下がってしまうと、脳の血流が減少して集中力や思考力の低下が起こります。脳への血流量が少ないと脈拍を上げて対処しようとしますが、頻脈により立っている状態でも動悸や息切れなどを起こすようになると、悪循環を起こします。

毎朝、立ち上がるたびに心拍数が上がると動悸・息切れを起こすようになると、習慣的に倦怠感など身体的苦痛を感じるようになります。

また、基礎疾患として心身症などの神経性障害があると、自律神経の調節が上手く行われにくくなります。寝起きに交感神経が働くのではなく、数時間遅れて活発に動けるようになり、夜は数時間遅れて眠気が出るようになってきます。

◇ 概日リズムと心身の不調

ヒトの体内時計の基になる概日リズムは「25時間」なので、毎日1時間のずれが出てきます。それを補正するために、通常は太陽の光を網膜に感じると、メラトニンの濃度が下がって覚醒することで1日のリセットを行っています。

小児は10歳ごろ~思春期にかけてメラトニンの急激な濃度低下が起きて性腺の促進が起こります。そして25時間の概日リズムがリセットされずに1時間のずれが毎日生じていると、次第に2時間・3時間とずれていくようになり、この時間のずれが原因で寝つきや寝起きの悪さを招きます。

小中学生では倦怠感や動悸などが原因で起きることができなくなり、不登校気味になったり全く起きることが出来なくなったりします。これが「怠けている」という印象を周囲の人に与える原因にもなっています。

中には本当に怠けている子供がいるかもしれませんが、実際は自律神経に影響するストレスや心身症などが原因になるので、一概に怠けているとは言えずODの可能性が70%以上とも言われています。

◇ 起立性調節障害の診断と治療

80%以上が遺伝による身体的疾患で、心身症などの精神疾患をきっかけに起こりやすく、起立性低血圧との区別が必要になる病気です。

起立性調整障害の診断には、非観血的連続血圧測定装置が使われて血圧を連続して測ることで診断が可能になっています。また、問診では下記のものが診断基準になります。

起立性調節障害(OD)の診断は、次に掲げるODの11症状のうち3つ以上当てはまり、かつ、ODのサブタイプのいずれかに合致することとなっています。

(1)OD症状
1.立ちくらみやめまい
2.起立時の気分不良や失神
3.入浴時や嫌なことで気分不良
4.動悸や息切れ
5.朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
6.顔色が青白い
7.食欲不振
8.腹痛
9.倦怠感
10.頭痛
11.乗り物酔い

(2)ODのサブタイプ
1.起立直後性低血圧
2.体位性頻脈症候群
3.神経調節性失神
4.遷延性起立性低血圧
参照)起立性調節障害 Support Group


◇ 子供の起立性調節障害の治療

生体リズム(概日リズム)を正常に戻すために、高照度光療法が行われています。高高度光療法器を自室に置いて、毎朝一定の時刻に一定量の照射を行うと数日で症状が改善します。夜に強い光を網膜で感じると逆に悪化する事がわかっています。

メラトニンの分泌量が少ない高齢者の場合はそれほど大きな効果は見られません。高齢者の場合はメラトニンの投与時間によって生体リズムを調節することが可能です。

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