尿毒症性脳症の原因と症状、透析の合併症など

touseki

慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎炎などが原因で、腎機能が30%以下になると腎不全となります。さらに進行して腎機能が10%以下になると尿毒症の症状が表れて、透析が行われます。透析の初期症状として起こりやすいものでは、腎臓で濾過しきれない毒素が血管の中に残り脳に回ると、尿毒症性脳症の症状が出てきます。

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◇ 尿毒症の原因と症状

血液透析が行われる原因になる疾患として最も多いのが、糖尿病が原因になる糖尿病性腎炎であり、腎不全が進行して腎機能が10%以下(クレアチニン(Cr)値が5mg/DL~8mg/DL)になると透析が必要な末期腎不全です。

初期の腎不全の状態で「尿毒症状」が起きて、浮腫や高血圧に次いで嘔吐や疲れやすくなる易疲労感、頭痛、食欲不振、無気力などの症状が出る事があります。

この場合は血液透析を行うとほとんどの症状は治まります。急性尿毒症の場合、しばらく入院して血液透析を続けると腎機能が正常に戻り、治療の必要はなくなりますが、慎重に経過を見る必要があります。

特に高たんぱくの食事を減らすと、蛋白質の最終代謝物の尿酸の産生が減るので、肝臓や腎臓の負担が減ります。血液検査次第ではカリウムの摂取を減らしてナトリウムを摂る必要も出てきます。

◇ 尿毒症性脳症の原因と症状

「尿毒症性脳症」は、治療を延期して放っておいた場合や、急性腎不全の場合に起こりやすいものです。「尿毒症」は高尿素窒素血症と言われ、尿素中の窒素の量を数値化したもので、血液中の尿素窒素が高濃度になった場合の症状です。

他の原因として蛋白質の摂り過ぎやテトラサイクリン系抗生物質の使用、ステロイドの内服による肝臓中の尿素増加などがあります。

尿毒症が悪化して尿素窒素(BUN)値が60mg/DLを超えると、尿毒症と同じように易疲労感や脳機能の低下を招き、簡単な計算能力が低下、記憶力や集中力の欠如など起こります。これらは高次脳機能障害と呼ばれて、多くの能力低下を示す症状のことであり、「尿毒症」の進行とともに悪化していきます。

さらに尿素などの老廃物が脳に影響を与えると、生体内の恒常性のバランスが取れず自律神経や中枢神経に影響が出てきます。疲れやすさが顕著に表れて意識がもうろうとするなど、脳内では神経伝達の異常や酸素不足を起こし、症状が日内変動を起こすため昼間に眠ってしまい夜に眠れなくなるという症状も出てきます。

◇ 尿毒症性脳症と透析の合併症

透析を始めた頃に起こりやすいのが、「不均等症候群」というもので、血液脳関門と浸透圧の不均等により脳圧が上がるというものです。

腎不全になると人工透析(血液透析療法)をおこなって尿毒症を防止しますが、透析の経過や結果は血液中の尿素窒素(BUN)で判定するため、体内のBUNが除去されても血液脳関門を通しにくい脳脊髄液や脳内に尿素が残ることがあります。

脳血管以外の血液の尿素は取り除かれているため、浸透圧の差が出てくることによって脳に水分が流れ込んで浸透圧を均一にしようとした結果、脳への水分流入が原因となり脳浮腫や脳圧の亢進が起きます。

透析後、しばらく経つと血管に浸透しなかった細胞質の細胞内液や細胞間にある間質液が血液中に浸透してくるため、血液中に再び老廃物が溜まって、脳の血液との浸透圧が均一になるまで脳に水分と老廃物が流れていきます。

この不均衡症候群は透析時間を長くすることで対処できますが、血液透析を行っている限り何らかの合併症や副作用は起こります。高血圧や低血圧、貧血、頭痛、吐き気、夜間の不眠、シャント感染などが起きやすいものです。

◇ 尿毒症に関係する症状など

・過去には高リン血症対策のためのアルミゲル長期服用が原因となり精神、神経症状、その他が表れたため、アルツハイマーの原因としてアルミニウムが挙げられたこともありますが、現在では関係ないとされています。

・日本国内では腎不全になると血液透析を受ける患者が96%を超えています。諸外国では腎移植の前に一時的に腹膜透析を行う程度で、生涯にわたって透析を受けることは少ないといわれています。

・小児の場合、腸管出血性大腸菌(O-157)の感染により、溶血性尿毒症症候群を多数が発症しましたが、その30%の患者に中枢神経障害が合併症として見られ、急性壊死性脳症候群として亡くなった例もありました。

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