エキノコックス症、中国と日本で流行

ウイルス

10年以上の潜伏期間を経て腹痛と皮膚の激しい痛みを起こし、肝臓腫大を引き起こす寄生虫の感染症エキノコックス症。肝臓から肺や脳に感染が広がるため、症状が出た初期に治療を行わない限り、アナフィラキシーショックを起こして重篤な症状が表れることがあります。

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◇ 中国の汚染水による大流行

中国北部の四川省で最大の流行を見せているエキノコックス症は、生活用水の汚染が原因となり、12,000世帯に感染が拡大した結果、2005年から発病者が増加して2007年の有病率が15%といわれています。

潜伏期間の10年~20年を経過して発症すると治療が困難な状態になり、2014年を過ぎて死亡者が増えているのが現状です。生活用水として利用している河川の水が、犬の糞に含まれるエキノコックスの卵で汚染されているため、上下水道の整備を先送りして犬の駆除を優先して行っています。

発症初期は肝臓に集中して寄生するため自覚症状は少なく、10年間で92%が死亡するという致死率の高さから、中国では恐れられている寄生虫感染症となっています。

◇ 北海道に端を発した国内の全国的流行

エキノコックスが流行した起源として、礼文島でネズミ駆除を目的としてキタキツネが使われた事が原因となり、北方諸島でネズミから感染したエキノコックスがキタキツネの間で感染が広がったと考えられています。

本来は日本国内に存在しなかったエキノコックスが寄生虫の卵の形で北海道に入り込み、北海道の北方諸島に近い北東部から感染が流行したため、キタキツネの多い北海道全域の人間にも感染が広がり、また、ネズミを介してキタキツネや犬に感染が広がっています。

本州では中部地方から東北地方にかけて感染者が見られますが、北海道に近づくほど発症者が多いのが特徴で、本州の感染者は北海道を訪れた事がある者や、ネズミや犬の糞によって汚染された地域の天然水などが感染源となっています。

2013年の時点での統計結果では感染者の80%が北海道内ですが、犬や猫などのペットを介して本州での流行が増えているといわれています。潜伏期間が十年単位と長期間にわたるため、感染者と発病者、死亡者の統計が取りにくく、全てを把握することは難しくなっています。

◇ エキノコックス症の症状

主な感染経路としては、キタキツネや犬、猫と触れ合ったときに、エキノコックスという寄生虫の卵がヒトの口に入ることで起こります。ネズミを捕食したネコの場合は無症状なので、飼い猫でも室内で飼っている場合の危険性は少なくなっています。

ネコの糞便から感染を起こして、ヒトの体内で幼虫になり血液中に混じると肝臓に寄生します。そして、ヒトに症状が出る頃には10年~20年が経過しているのが一般的です。

単包性エキノコックス症と多包性エキノコックス症があり、単包性の場合は、部分的に嚢胞が長年の時間の経過とともに増大していくと肝臓の腫大や胆道閉鎖症、胆管炎などを起こします。

多包性エキノコックス症の特徴として、ヒトの98%が肝臓で成長して腫瘤が次第に進行して肝臓上部の腫大が起きます。次いで腹痛や黄疸、皮膚のかゆみなどの症状が表れると体内で血液を介して感染が広がります。

成虫(包中)は肝臓から肺に移動して咳や血痰、胸痛などを起こします。包中は脳に転移することもあるので、神経症状が出る事もあります。症状が表れて無治療の場合は重篤な症状に陥ることがあるので、北海道在住の場合は定期的な検査によって早期発見が可能になり、病巣の切除により治癒します。

本州の感染者は、医療機関で抗体の検出により感染が確認されると、北海道立衛生研究所にて確定診断が行われて切除手術が行われます。

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