小児の自己免疫性肝炎の診断、治療の難しさ

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自己免疫性肝炎とは、ウイルス感染が見つからないタイプの慢性炎症性疾患で、ウイルス性肝炎と同じように無自覚で進行するため、気付いた時には肝硬変に進行している場合もあります。抗体別に1型、2型自己免疫性肝炎に分類されて、小児から高齢者まで幅広い年齢で発症します。

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◇ 自己免疫性肝炎は遺伝?

この疾患には遺伝性がないと言われてきましたが、自己抗体の検出により遺伝的要因が根本にあることがわかっています。疾患自体は遺伝しないので要因だけが遺伝することになります。

遺伝的要因に加えてウイルス感染や薬剤がきっかけとして自己免疫性肝炎を発症することがあります。急性肝炎として見つかることもありますが、慢性肝炎の急性期に倦怠感を主とした症状で受診した際に、検査次第で発見される可能性があります。

ウイルスが検出されないが、肝細胞自体の障害を示すAST(GOT)・ALT(GPT)値が上昇している場合や、症状を訴えるものの原因が見つからない場合、医療機関によっては肝生検を行った結果、自己抗体が見つかると自己免疫性肝炎と診断されます。

抗体別に2種類のタイプの1型・2型自己免疫性肝炎があり、1型自己免疫性肝炎では年齢層が幅広く、2型の場合は小児~若年者に多いのが特徴です。1型、2型自己免疫性肝炎全体の発症者としては50~60代の女性に多くなっています。

◇ 小児の慢性肝炎・肝硬変の原因

小児でも慢性肝炎の原因となる肝疾患はありますが、成人と同様に無症状で経過していくため発見されにくいものです。小児の場合、将来的に慢性肝炎に移行する可能性があり、さらには治療の遅れにより肝硬変や肝がんに進行していきます。

小児の慢性肝炎の原因となる疾患として、「自己免疫性肝炎」や「ウイルス性肝炎」が実際に多くなっています。

無症状で経過していく肝疾患なので、子供から症状の訴えがあるはずもないのですが、血液検査による肝機能の数値異常が見つかった場合、病院によっては「単なる肝炎」で済ませたり、徹底して原因を探した場合は発見されることがあります。

◇ 小児消化器科の絶対数が少ない日本

医療機関によって異なる「医療の質」によって、結果とその後の経過は違ってきます。小児が通常の日常生活を送りながら早期治療が行われることもあれば、慢性肝炎を見逃されることもある、というのが現在の医療の限界なのかもしれません。

小児科の開業医の場合は、その限界もはるかに低く他院を紹介することは少ないように思えます。そのため、患者が医療の質を判断する必要が出てきます。

実際に日本国内では、小児消化器内科や小児肝臓消化器科などの診療科を置いている病院は数少ないため、容易に通院できる体制は整っていません。

◇ 自己免疫性肝炎の症状

自己免疫性肝炎に特有の症状がないため、原因特定が困難になっています。症状が無い限り医療機関を受診することもなく、急性期に肝炎特有の自覚症状が出た時にはウイルス感染が広がっている場合があるので、難治性の疾患となっています。

肝炎に最も多い症状として、全身の倦怠感や黄疸が出れば自覚的にも他覚的にも分かりやすいものです。

他のウイルス性肝炎と治療は異なります。自己免疫性疾患では免疫抑制剤とステロイドが使われます。ステロイドに効果が見られないケースもありますが、効果があった場合でもステロイドを長期間にわたって服用する事になり副作用が問題となります。

ステロイドによる免疫力の低下や、感染症を起こしやすくなるなどの副作用が最初に出てきます。合併症の危険性などもありますが、ウイルス性肝炎を合併している場合に免疫抑制剤を使うのかどうか、対処が難しくなることは予想できます。

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