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高齢者の誤嚥性肺炎の意外な原因と症状

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誤嚥(ごえん)とは、飲食物を飲み込む際に食道に入るべきものが誤って気管に入ることですが、逆流した胃液が気管に入るなど、色々なケースが考えられます。これらの誤嚥が高齢者の肺炎の原因として最も多く70%を超えています。

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◇ 高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因

健康な人でも気管に飲食物が入ってむせる事はよくある事です。その時は何度も繰り返して咳をするのが気管支を守るための当然の反射です。咳をすることで口腔内の常在菌を外部に出すという、自律神経が関係しない脊椎反射なので自らの意志で止める事はできません。

咳をすることで口腔内の細菌や真菌を外部に出すことが出来れば、誤嚥性肺炎は起こりませんが、高齢者になると食物や唾液と同時に、細菌が気管支から肺に入り込んで誤嚥性肺炎の原因になります。

また、食事の時に限らず、唾液を飲み込むだけでも誤嚥は起こります。胃食道逆流症であれば、口内まで逆流した胃酸や内容物で誤嚥を起こすこともあります。そして、誤嚥性肺炎は再発を繰り返しやすいため、抗生物質や抗真菌薬の投与を繰り返しても耐性菌を増やすだけで、治癒に至ることは難しいものです。

◇ 誤嚥性肺炎を起こしやすい患者

肺炎の原因は嚥下障害に分類される誤嚥だけでなく、物を飲み込みにくいという嚥下困難の症状も高齢者に多いものです。特に脳梗塞や脳出血・クモ膜下出血が多く、この3種類だけで全体の60%を占めています。他には脳の機能低下に関係するアルツハイマー病やパーキンソン病なども誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。

精神疾患の中では心因的原因によるものがあり、うつ病などの過食障害に伴う嘔吐も嚥下障害や窒息の原因になります。

高齢になると嚥下機能の低下が見られるため、液体と固体を同時に飲み込むことが難しくなります。この場合は通常の液体ではなくゲル状のゼリーのような形で水分補給を行います。

検査としては嚥下内視鏡で嚥下状態を確認したり、X線による嚥下状態の動画撮影などにより治療法が決定されます。最初は高血圧の治療薬ACE阻害剤(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)の副作用の咳によって嚥下機能が改善する場合があります。

その他、外科治療として、喉頭の摘出や気道と食道を分離することで誤嚥を減らすことも可能です。

◇ 治療法としての胃瘻(いろう)とは?

一般的な栄養補給の手段としては、患者に意識がない場合に鼻からチューブを入れて胃に流し込みますが、手間がかかるため長期にわたる場合などは胃瘻という手段をとります。

胃瘻(いろう)とは、固体や流動食を飲み込むことが難しい場合、誤嚥による気管支炎や肺炎を繰り返さないために、直接胃にチューブを通して片方は体外に出したまま留置され、栄養分や水分などを流し込むということが行われます。

この胃瘻の措置は人工呼吸と同じように生命維持のために行われるもので、患者や家族が望まない場合は行われないといった性質のものです。生存を望まない場合は、チューブを設置した後でも栄養分や水分を注入しないという選択も可能になっています。

◇ 胃瘻と尊厳死

終末期医療や交通事故などで回復の見込みがない場合、どちらを選択するか?というアンケートでは70%以上が「胃瘻を望まない」という結果が出ています。チューブを設置するかどうかは患者の自己決定権の範囲なので、当然ながら医師が認めないことはありません。

上記のアンケートは生死に関係のない者に対するもので、実際に選択を迫られた時にどういう感情が湧いてくるか?ということは想像の域を出ません。一度経管による栄養補給を希望した場合は、途中で中止するときに患者本人の意志確認が必要になってきます。

補液などの中止は積極的な安楽死になるように思えますが、日本尊厳死協会に登録すれば栄養補給が中止されて尊厳死が可能になるという登録制度があります。自ら意思表示が出来なくなれば尊厳死は可能なので、延命措置を取って考える方がいいかと思います。

例外として、症状が改善されて経口で栄養摂取が出来るようになれば、チューブを外して以前の生活に戻ることは可能ですが、終末期医療としての措置だけに終末期を迎えるのは必然のようになっています。

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