高血圧患者の塩分摂取量は?

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高血圧は病気ではないので治すというのも変ですが、降圧剤が必要なレベルまで悪化してしまうと薬の効果に頼ってしまうものです。ある程度の塩分を摂取しても降圧剤の作用で血圧は下がってくれるので、塩分に無関心になってしまう傾向にあります。

「1日11gまでは許容範囲」などという根拠のない俗説もあるようですが、そこまで大量に摂取すると血圧は下がりません。「適量のアルコール」が健康にいいと言われていますが根拠はありません。

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◇ 1日の塩分摂取基準とは?

日本高血圧学会と厚労省によると140/90mmHgが治療対象の基準になっています。ただし生活習慣次第では治療開始までに猶予期間があります。生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合は投薬治療が始まります。

健康な人の場合は、塩分の摂取目標が男性9g未満となっていましたが、2015年4月から、男性8g、女性7gに変更されました。WHOの塩分摂取目標では5g、米国では心血管等の疾患予防を考えた設定値が3.8g~6gとなっています。

塩分は不要?という疑問も出てくるかと思いますが、細胞の浸透圧調整にナトリウムとカリウムは必要です。塩化ナトリウムの1日の必要量は約1~2gです。

◇ 天然塩で自然な塩分補給を

食塩として販売されているものは塩化ナトリウム100%なので、血圧を上げる作用しかないのが問題です。カリウムやカルシウム、マグネシウムを含んだ天然塩や岩塩を使った場合は厳密な塩分制限は必要なくなり、ある程度の許容範囲が増えます。

カリウムの適量摂取で血圧は下がりますが、摂り過ぎると血圧は上がります。塩化カリウム単体の摂取ではピリッとした味で胃腸障害が起きやすくなります。

塩化マグネシウムはマイルドな味になるので、全てのミネラルが含まれている天然塩を使う事が望ましく、高血圧の場合はWHOの摂取基準5gを天然塩で摂るのが無難です。

◇ 塩分摂取の目標値と添加物

減塩食は食材のナトリウムを計算に入れているので、3食で6gを超えない程度が目標値になっています。塩分を減らすだけでなく、ベーコンやハムなどの肉類の発色剤は酸化防止剤を兼ねて添加される場合があるので、加工食品の酸化防止剤でも油断はできません。

少し古い酸化防止剤兼発色剤では亜硝酸ナトリウム等がある程度は含まれています。最低限に抑えると肉類の加工食品は全て茶色になります。(ベーコンやソーセージが献立の食材に使われることは稀です。)

昆布には味の素の成分、グルタミン酸ナトリウムが含まれているので、それも減らされて、添加物まで徹底した管理が行われます。「味気ないサンマにはレモン汁をかける」場合が多いですが、レモン1個に20mg含まれているビタミンCはアスコルビン酸ナトリウムなので、完全な減塩にはなりません。

同じビタミンCでも、アスコルビン酸ジカリウムであれば血圧が下がり、シミ取りも兼ねて便利です。レモンに含まれていないのであまり意味はなさそうに見えますが、味気ない減塩食対策になります。

◇ 適度なアルコール量の不思議

「日本酒1合、ビール中ビン1本程度であれば血管が拡張して血流が良くなり血圧が下がる」という間違った俗説も聞かれます。

病気になったから飲めなくなったというパターンと、飲み過ぎが原因でアルコール性肝炎などの病気に罹って飲酒を禁止されている場合があります。現在まではこの2つのグループが比較対象に入っていたので、過度の飲酒より適量の飲酒の方が健康にいいと言われてきました。

実際の長期的な統計では、適度な飲酒が健康に良いわけではなく、健康だから適度な飲酒が可能になるという逆の結果です。飲酒をする者の中では10日に1度未満の飲酒をしている者の成績が最も良い(寿命が長い)という結果が出ています。

飲酒の習慣がない者と比較して、毎日少量の飲酒をしているグループの寿命が延びたという結果や、高血圧のリスクが減ったという統計結果はどこにもありません。

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