症候性低血圧症の原因と治療

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通常、慢性的に低血圧の場合は本態性低血圧(一時性低血圧)と言われるもので、低血圧の90%を占めています。それに対して、具体的な疾患が原因となる低血圧は症候性低血圧(二次性低血圧)と呼ばれ、がんや心臓病、薬剤などが原因になる場合があります。

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◇ 各種低血圧の原因と症状

本態性低血圧の場合は遺伝的体質による慢性的な低血圧(収縮期血圧が100mmHg未満)であり、細身の体形の人に多くみられます。症候性低血圧は低血圧全体の10%に過ぎませんが、低血圧になる明らかな原因や疾患を持っています。

低血圧による影響や症状は本態性、症候性ともに似たようなものですが、原因不明の慢性的な本態性低血圧と、病気や投薬による一時的な症候性低血圧の違いがあります。

低血圧の場合は収縮期血圧と拡張期血圧の差(脈圧)が少なくなり、心臓からの血液の拍出量が減少します。それに伴って末梢血管に血液を押し出す力も減少して、うっ血が起こりやすくなります。

その結果、倦怠感やめまい、疲労感、動悸、悪心などの症状が出てくる場合がありますが、低血圧も高血圧と同様にそれ自体は病気ではないので、症状がまったく無い場合もあり、特に治療を必要としません。

◇ 起立性低血圧とは?

立ち上がった際に急に血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどの症状が出ます。特に小学生から中学生の思春期までの子供が、炎天下の下で長時間立ったままの状態でいると突然貧血を起こして倒れる事もあります。

この場合は自律神経の異常や神経障害による血圧調整機能の異常が原因になる症状で、起立性低血圧といいます。通常は成長とともに自律神経や血圧調整機能は改善されていくので、治療の必要はありませんが、意識を失うことが増えると当然ながら転倒時の打撲の危険が増すので対策が必要になります。

成人であっても、稀に起こる場合は治療の必要は無く、糖尿病や内分泌系の異常、不整脈などの心疾患、心臓の器質的な障害が原因であれば治療の必要が出てきます。

◇ 症候性低血圧による影響

症候性低血圧の場合は高血圧に比べると、血管に与える影響がないため致死的な状況に陥ることはありません。ただ、症候性低血圧の場合は低血圧の原因となる疾患が明らかなので、症状があれば原因を取り除くことで症状は改善されます。

症候性低血圧の原因として、心機能の低下や不整脈、甲状腺機能低下やホルモン異常、代謝異常による低ナトリウム血症などがあれば慢性的な低血圧になり、血液の循環不足による多臓器不全も考えられます。

アルコールの摂取が高血圧の原因とも言われていますが、血管拡張と自律神経の異常によって慢性的な低血圧を起こします。交感神経遮断薬や抗うつ剤なども低血圧の原因になります。

他に、外傷による出血や、失血、火傷なども低血圧の原因になります。極端な例では、がんの末期では単に心機能の低下に伴って血圧が低下します。収縮期血圧が20mmHg以上低下した場合は、親族に連絡するレベルまで悪化しているので、末期がんだけは症候性低血圧といっても例外のようなものです。

一般的に服薬を中止したり、疾患を治療すれば症候性低血圧は治ります。重症の場合は、昇圧剤や交感神経刺激剤(アドレナリン刺激剤)が必要になります。

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