嗅覚障害と脳神経障害の危険性

byouin2

風邪を引いた後や、鼻炎が悪化して長引いた時など、臭いを感じない事に気付くことがあります。鼻粘膜の炎症などの障害があると、後遺症として嗅覚障害が残ることが多いものです。受診のタイミングや、治療を行わなかった場合の後遺症とは?

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◇ 嗅覚障害の原因と症状

ウイルス性の風邪を引いたときに鼻腔に炎症があったり、慢性副鼻腔炎による鼻腔粘膜の腫れから起きる末梢神経障害が主な原因です。その他に、神経の異常やアルツハイマー、パーキンソン、脳腫瘍、うつ病、薬剤の副作用、ストレスなども嗅覚障害の原因になります。

嗅覚の異常だけで味覚の異常がない場合もありますが、慢性化するといずれ味覚も失います。最初から味覚・嗅覚の喪失が同時に起こることもありますが、急性の嗅覚・味覚異常の場合は難しい治療はなく、簡単に治ります。

副鼻腔炎の場合は呼吸器系の異常なので、鼻呼吸ができなければ嗅覚の異常があるのかどうか本人にもわからないものです。鼻が通れば鼻粘膜は正常かもしれませんが、鼻粘膜に障害があれば治療が手遅れになるということも考えられます。

◇ 無臭では軽傷の嗅覚障害

全く匂いがなければ脳の障害や脳腫瘍、精神障害は考えられず、単に鼻粘膜の異常や亜鉛不足の可能性が高く、治る可能性が高いものです。

脳に障害や外傷があれば、「イヤな臭いがする」と患者が訴えます。精神障害の場合は無臭ではなく、記憶している臭いが「幻臭」として感じられるので、人によってその臭いは異なります。

何を匂っても同じ匂いであれば「異臭症」と言われるものです。脳疾患や精神疾患があれば、常に同じような不快な臭いを感じるものです。脳腫瘍があれば苦みが多いといわれます。

といっても、臭いがあれば脳疾患とは限りません。副鼻腔炎(蓄膿症)の場合は、ある程度自分でも臭いが気になるものです。これは幻臭ではありません。

耳鼻咽喉科で治らない場合、精神科を受診して原因疾患を治療すると嗅覚や味覚とも戻ってきます。うつ病が原因であれば検査をしても原因らしきものは見つかりにくいものなので、「うつ病かもしれない」と自己申告すれば、抗うつ剤で味覚と嗅覚は元に戻ります。

◇ 嗅覚障害の早期治療

嗅覚、味覚、聴覚に異常があれば、出来るだけ早く治療を始めるべきです。突発性難聴は数日以内、嗅覚障害、味覚障害は1カ月経つと手遅れとも言われます。

嗅覚障害を自覚した時には出来るだけ早めの治療が欠かせません。治療とはいえ、ステロイドの点鼻薬と亜鉛の飲み薬が処方される程度です。

耳鼻科に行く時間がないという社会人であれば、セルフメディケーションの意味でも、ドラッグストアでステロイドの点鼻薬や亜鉛のサプリは購入できます。薬剤師のアドバイスを聞きながら、嗅覚異常を伝えて薬を出してもらいましょう。

受診や検査を勧められた場合は、症状が軽ければ「耳鼻咽喉科」でいいですが、耳鼻科で原因が判明しなければ「嗅覚外来」、または「神経内科」「心療内科」のいずれかを受診する事になるかもしれません。

嗅覚障害は再発を起こしやすいので、亜鉛・ステロイドの飲み薬や点鼻薬はストックを常備しておくと、簡単に対応できます。

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