子供の鼻腔異物の症状と対処

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鼻腔異物は、こどもが故意に入れてしまい、痛みを訴えられても周りの者が取れなくなったという状態です。その場で無理にピンセットなどを使い取り出そうとすると余計に奥に入って状態が悪化してしまい、耳鼻咽喉科で高い治療費を取られることになります。

ピンセットなどで取れそうにない場合、無理をするより治療費が高くてもそれだけのリスクがある場合が考えられます。下咽頭や食道に落ち込む前に耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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◇ 鼻腔異物の種類と年齢層

異物の形状別では球形や円柱物が多く、容易に鼻腔に入れやすいものが多くなっています。ビーズが最も多く、BB弾やパチンコの玉、トウモロコシ、消しゴム、飲んでも安全なプラスチック製のおもちゃのパーツなどがあります。

危険性の高いボタン電池(リチウムイオン電池)は親が子供の手の届かない場所に保存しているのか、1%以下に留まっています。

年齢別では危機管理能力のない6歳未満の子供に多くなっています。当然ですが最初に痛みを感じるものは滅多に入れません。我慢しながら入れる意味はないのですが、綿や豆を入れると鼻の奥まで入ってしまい、水分を含むと膨らんで次第に痛みが出てくるものがあります。

成人が鼻腔異物で受診する割合は1%程度と言われています。

◇ 最も危険なボタン電池

最も危険なものがアルカリ電池やリチウム電池などのボタン電池全般です。鼻に入り半日程度経過すると、取り出した後でも化学変化により鼻粘膜が影響を受け続けます。

これは、マイナス極が鼻中隔に接触している時間が4時間以上(平均12時間以上)に及んだ場合で、摘出後に入院治療を続けたとしても鼻中隔の穿孔は免れないものです。

プラス面でショートの危険はありません。マイナス面はプラス極と1ミリ程度しか離れていないので、鼻粘膜で電流が流れて鼻腔の中でショートを起こすと体液により電気分解されて、陰極の水酸化ナトリウムと陽極の塩酸が鼻中隔を腐食し続けます。

ボタン電池は5種類ありますが、空気電池以外のものはすぐに取り出す必要があります。酸による中和は発熱反応なので、余計に組織の状態を悪化させてしまうため、対処法は早期摘出以外にないと言われています。

耳鼻咽喉科では取り出すことが不可能になるケースが多く、ボタン電池の場合は救急車で早期に然るべき救急病院で除去してもらう必要が出てきます。

◇ 耳鼻咽喉科が専門の鼻腔、外耳、咽頭

子供が意図的に入れる場所で最も多いのが鼻の穴で、次に外耳が多くなっています。子供が自ら入れた場合、鼻腔、外耳や、魚の骨が刺さって取れない喉頭から食道にかけて、ほとんどが耳鼻咽喉科で対応できるはずです。

行きつけの歯科や内科で診てもらおうと思っても、おそらく耳鼻咽喉科を紹介されるだけなので時間の無駄です。喉に入り込んだ場合は魚の骨でも直接見えない限り歯科や内科ではリスクを犯したくないものです。

レントゲンで存在が確認されて、やればできるとしても、緊急性があってもやらないのが現在の医者。リスクを出来るだけ避けて治療を行いません。医者が治療を始める(引き受ける)前に考えるのが責任問題です。医療は契約行為なので、始めたら最後まで責任問題が付きまとうという日本の医師法も面倒な部分です。

◇ たらいまわしが困る鼻腔異物

耳鼻咽喉科で対処できない場合は「口腔外科」や「頭頸部外科」、またはボタン型電池などは、大学病院の「耳鼻咽喉科」になる可能性があります。下咽頭や喉頭に影響があると生命に関わる場合も稀にあるので、慎重を期するのは、逆に患者や親にとっても安心できるかもしれません。

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