乳幼児の鼻水・鼻詰まりの処置

suimin

乳幼児の鼻水を拭いて出てくるものは中鼻漏(ちゅうびろう)から鼻腔の前の部分です。その奥の後鼻漏は自分で出すことができないので、サラサラの鼻水以外では場合によって出してやる必要があります。

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◇ 鼻をかむという行為

風邪を引いたときにはウィルスを排出するために鼻水が出ます。鼻を拭くときに出てくるものは前から出てきますが、副鼻腔炎がある場合、咽頭に流れ込んでいく粘り気のある鼻水を後鼻漏といいます。

感染を起こした時の鼻水が喉に落ち込んでいくと、気管の粘膜に付着して咳がいつまでも続くことがあります。後鼻漏は狭い部分にある鼻水なので排出させることが難しいものです。

ある程度の年齢になれば、自分で鼻をかむことができるので後鼻漏も鼻腔を通って外部に出すことができます。それが出来るまでは基本的に自宅で吸い込んであげる必要があるかもしれません。

◇ 吸引を行う理由とは?

耳管の短い幼児や小児の場合は、中耳炎の原因になる事があるので、吸引をすれば無用な病気の心配をしなくて済みます。しかし、吸引を行ってもすっきりするのは一時的なもので、すぐに溜まってしまいます。

また、小さい子供は耳鼻科で処置を行う時に泣くものです。泣くと鼻水が出て後鼻漏の吸引の意味がなくなります。結果的に耳鼻科や小児科での吸引は無駄ということになります。

副鼻腔炎があったり、のどに落ち込んだ時に淡が絡むようなときは、鼻から出さずに淡を柔らかくして口から出しやすくする方が合理的かもしれません。過去には耳鼻科や小児科で後鼻漏の吸引の処置は行われず、吸引は自然の摂理に反しているようで過保護すぎると言えるかもしれません。

小児科や耳鼻科では吸引を拒否するところがあれば、積極的に行っているところもあります。どちらが正しいとは言いにくいですが、自宅で行うとすれば、鼻腔を傷つけないように柔らかい素材のチューブを使って吸い出すという方法があります。子供が嫌がれば無理をする必要はないでしょう。

◇ 一度は耳鼻科の診察と指導を

子供の耳管の太さや短さが影響して中耳炎を起こしやすくなるため、一度耳鼻科で診察を受けて指導してもらうのがいいでしょう。副鼻腔炎があれば耳管を通って中耳炎を起こす可能性があります。

副鼻腔炎の細菌が耳管に入り中耳炎を起こすと、中耳腔という空間に膿が溜まっていきます。冬の乾燥した時期や、インフルエンザや風邪を引きやすい時期に多くみられるもので、耳がつまった感じや耳垂れ(中耳に溜まった膿が外耳に流れる)が起きると、脳に影響を及ぼすことがあるので要注意です。

中耳炎のような症状があれば、悪化した場合に鼓膜を切開して、膿を外に出すための処置を行う事があります。抗生物質の投与で化膿がなくなれば鼓膜を元に戻します。鼓膜は再生能力が高く、小児の場合は1週間程度で勝手に塞がります。

最悪の結果を考えればキリがないですが、鼻水の処置は必要ないというのが最近の耳鼻咽喉科では多数派のようです。

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