
白衣高血圧はよく知られている症状名で、家庭で計測した血圧が正常値でも病院で計測するとそれより高くなるというものです。家庭用の血圧計の誤差が高めに出る場合や、計測する部分によっても血圧は異なってくるとはいえ、白衣高血圧は治療の必要があるのでしょうか? スポンサードリンク
◇ 白衣高血圧の治療の必要性
降圧剤を服用していない人に限って、病院で白衣の看護師や医師に血圧を測ってもらうと高めに表示されることが多いようです。これは普通の反応なので特に問題はありません。軽症の高血圧という表現をされ、高齢であれば治療の必要はないと言われています。
血圧の測定の方法ですが、家庭でも上腕にカフを巻いて計測するデジタル式であれば、医療用の水銀柱血圧計でも大差はありません。血圧の変動が大きい場合は何度か計って平均値を出します。
ちなみに、診察室で血圧が高くても、深呼吸を繰り返した後に血圧が下がっていれば白衣高血圧ではありません。血圧が常に140mmHgを超えるか超えないかという程度であれば、利尿剤だけで正常血圧に戻ります。降圧剤を飲み始めると一生飲み続けることにもなりかねません。
◇ 白衣高血圧の判断材料
白衣高血圧は治療の必要があるかどうか?という問題では、医師によって判断は異なるかと思いますが、24時間の間に15分おきで計測・記録できる「24時間ABPM」というものがあり、血圧計を着けたまま通常の日常生活を送ると治療の必要がある高血圧かどうか判断できます。
白衣高血圧はテルモ熱のようなもので、テルモの予測型体温計が常に高い体温を示すことから「テルモ熱」などという病気が一時期流行しました。血圧計も手首に巻くタイプでは脈を検知できないことがあるので、「オムロン低血圧」などと言われるのかもしれません。
もし、自宅でも病院でも高血圧になるという持続性の高血圧に移行すれば治療の必要が出てきます。
収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)の差を示す脈圧が少ない場合や、高血圧が長期間持続していた場合は胸部レントゲンの心拡大の程度で心臓にかかっていた負担が分かります。胸の幅に対して心臓が50%以上の大きさを超えた場合に心拡大と診断されて、高血圧が長期間持続していたことが判明します。
◇ 仮面高血圧の症状と治療
白衣高血圧に対して、「仮面高血圧(逆白衣高血圧)
と言われるものがあり、家庭で血圧が高く診察室では低く表示されるというものです。これは降圧剤を服用中の患者に多く、白衣高血圧に比べるとはるかに重症度が高くなります。
この仮面高血圧は就寝中の夜間血圧が高く、心不全や腎不全が原因になることが特徴的です。血管のダメージから心拡大・動脈硬化・認知症を起こしやすい体質です。
他には肝機能や腎機能が低下すると、同じ薬を飲んでいても血圧が上がったり下がったりするものです。通常は肝機能が低下すると薬の代謝が遅れていつまでも血圧が下がり続けるものですが、逆に効かないという不思議な現象も起きます。
自律神経が大きく影響するので、ストレスが持続すると次第に高血圧になり、ストレスが無くならない限り、血圧が上がり続けるということも起こります。
高血圧は症状が無い限り病気とは言えないので、悪化する前に何らかの対策を取る必要があります。降圧剤を飲み続ける前に、アルギニンで血管を柔軟にしたり、自律神経訓練法などの効果が高いものを試すと服薬を避けることが出来るかもしれません。

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