透析のリスクを減らす糖尿病性腎症重症化予防

touseki

糖尿病の合併症として糖尿病性腎症が重症化すると人工透析が必要になり、生涯にわたって透析を受ける必要があります。予備軍を含めると2000万人以上にのぼる糖尿病性腎症の重症化を予防することで、透析患者の減少と医療費の削減が期待できるというものです。

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◇ 人工透析の負担軽減

腎不全になると人工透析が必要になりますが、透析を始めると余命が半分程度に減少します。通院と長時間にわたる人工透析による精神的負担やストレスは大きなものです。

自宅で行える腹膜透析では、自らの腹膜を透析膜として使用するため、通院や人工透析の煩わしい時間を減らすことが可能になっています。

腹膜透析ではAPDシステムと言われるものが使われて、透析液の排出を眠っている夜間に行う事が可能になっているので、さらに負担の少ない透析が行われています。

◇ 人工透析に残されたリスク

カテーテル挿入部の感染などの合併症に気を付けていれば便利な腹膜透析ですが、何年か経過すると合併症や腹膜の機能低下が起こるため、いずれ人工透析が必要になります。

人工透析で最も問題になるものが「血管と血液の質の低下」です。長期間にわたる人工透析が原因で心血管に与える影響が大きくなり、その結果、急性心筋梗塞や狭心症、脳卒中などによる死亡リスクが増加していきます。

心血管や末梢血管に与えるリスクは、EPAを毎日1800mg服用することにより6分の1程度に軽減されることが判明していますが、依然として人工透析のリスクと精神的負担は残されたままです。

また、副腎と腎臓は2個づつありますが、慢性腎不全の場合はどちらか片方だけ悪くなるということはなく、両方がほぼ同時に腎臓としての機能を失います。

◇ 糖尿病性腎症と透析患者の増加

腎臓の機能が低下していくと高血圧以外に症状は出ないものですが、腎機能の悪化を防ぐことができない原因として糖尿病があります。

人工透析にかかる医療費は一人当たり年間500万円を超えているため、健康保険を使った場合の自己負担額が年間50万円程度になります。国民の医療費40兆円の5%を占めるのが人工透析市場です。

また、糖尿病予備軍を含めた2000万人の内、糖尿病の自覚がないまま慢性腎不全に至る人は毎年増加しており、10年間で2倍の患者数という伸び率を示しています。

「透析だけで経営が成り立つ」という循環器科では、糖尿病性腎症の積極的な検査や治療を行わず、透析患者の奪い合いも一部で見られるといったような不要な構図を無くすためにも予防手段が必要になります。

◇ 腎症悪化予防による透析回避

そこで、糖尿病予備軍を含めた患者が透析を避けるための手段として、厚生労働省、日本医師会、日本糖尿病対策推進会議の三団体が連携して、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」の取り組みが始まっています。(10以上の学会が参加していますが、日本循環器学会は含まれません)

患者自身が病気への理解と自己管理能力を高めるためにも、自治体レベルで医療機関での受診を勧告する文書を郵送、または電話や訪問により受診を促します。2016年から全国的に展開されていきますが、栄養士のサポートを含め、血糖値と腎機能の把握と生活習慣の改善を図っていきます。

人工透析(血液透析療法)の設備がある循環器科のかかりつけ医だけに任せず、糖尿病専門医が合併症を予防、治療を行いながら慢性腎不全による人工透析を回避していくことで、医療費削減と生涯にわたる透析患者の減少が推進されるものと予測できます。

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