メラトニンの意外な作用、国内販売されない理由

byouin2

催眠効果や日周リズムに関係するホルモン(神経伝達物質)として知られているメラトニンの効用と、副作用がほとんど起こらない理由、抗がん治療に欠かせない理由とは?

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◇ メラトニンの必要性と副作用

男性ホルモンと女性ホルモンの分泌を調整するホルモン(神経伝達物質)であり、思春期には男女特有の体を作りますが、それを過ぎると次第に分泌量が減少していきます。思春期を過ぎると、小腸・網膜・松果体にあるメラトニン産生器官が次第に衰えてくるため、外部から補充する必要が出てきます。

ステロイドやインスリンなどのホルモンは、長期的に服用すると産生器官が衰えますが、メラトニンの場合は20歳を超えると本来体内にあるはずのホルモン減少と産生器官の衰えに対しては見切りが付けられているので、メラトニン不足が放置されている状態です。しかし、世界的に見ても服用による副作用らしきものは見つかっていません。

原料のトリプトファンやセロトニン不足も影響しているので補充が必要になりますが、トリプトファン製剤には既知の副作用問題があり、セロトニン症候群の危険性からセロトニンを補充する手段がありません。現在では最終代謝物のメラトニンを補充する事が行われて副作用の報告がないという状況です。

どうしても副作用が気になる方は摂らなくても健康状態が悪化するわけではありません。または、「かいわれ」や「明日葉」から摂取してください。という結論になると何となく中途半端な説明になりそうです。

ともかく、日周リズムや睡眠の質に関わっているホルモンとして知られており、年を取るとメラトニンの分泌量が減っていくため、正常な睡眠パターンや質のいい睡眠を得られにくくなります。高齢になるとほとんど分泌されなくなるので、糖尿病のリスクが高くなったり、早寝早起きなど日周リズムのずれが生じてきます。

ビタミンC・ビタミンEの2倍の抗酸化作用を持ち水溶性と脂溶性の両面を持つメラトニンは、細胞質と細胞壁に作用して老化防止が期待できるホルモンとしても有名です。白内障をはじめとする眼の病気(水晶体・硝子体・網膜)に対する抗酸化作用と予防の役割は大きなものです。(ただ、強力な抗酸化力とは言いにくいかもしれません)。

◇ 抗ガン剤治療とメラトニン

メラトニンがヒトに与える影響では、抗がん作用と転移を予防する作用もありますが、「抗がん剤の副作用を減らす」という点では有効性の高いものです。化学療法としての抗がん剤投与や放射線治療の副作用では毛髪が抜けたり、ストレスや不安が原因になった結果、適応障害やうつの症状と共に心因性疼痛が起きたり、がんそのものによる痛みや手術後の痛みが起きます。

メラトニンの服用によって免疫系の強化が行われ、抗がん剤の副作用でもある脱毛や疼痛などの予防や緩和が可能になっています。メラトニンの前駆物質セロトニンは日中の活動中に作用しますが、中間物質N-アセチルセロトニンはメラトニン受容体に作用すると同時に、日中はセロトニン下行疼痛系の制御を行い、抗うつ作用や降圧作用があると言われています。

睡眠に影響するメラトニン服用量は1日1回1~5mgですが、抗酸化物質として免疫系の強化を目的とした服用量は2mg~20mgとされています。また、半減期は最大50分と短いのですが、服用量が多いと翌日の日中にも眠気が残ります。

◇ メラトニンが国内販売されない理由

アメリカをはじめとする諸外国ではサプリ扱いで販売していますが、日本では体内に存在するホルモンは医薬品として特許が取れません。

製薬会社としては物質特許が取れないので、製法特許だけでは儲けがないというのが実情です。製薬会社が新しく薬を製造するのであれば、安いホルモン剤よりも高額なC型肝炎治療薬などの製造ラインを作る方がマシです。

医薬品としては、メラトニンのアゴニスト(同じ作用をする異なる物質)として、ロゼレム(一般名:ラメルテオン)という商品名で販売されており、メラトニン受容体MT1、MT2に作用する薬として、適応症は睡眠障害に限定されています。ロゼレムの場合は通常の代謝が行われて、時間の経過とともに濃度が下がっていく化合物なので、血液中の濃度が下がると効果はなくなります。

一方、メラトニンは松果体にストックされて、就寝時から次第に濃度が上がり網膜に光を感じると分泌が止まるという違いがあり、自然な分泌パターンにより日周リズムを正常にするという作用もあります。松果体が機能していないと思われる年齢では、毎日決まった時間に服用する必要があります。

というわけで、日本では個人輸入代行により調達する手段しかありません。そして個人輸入代行業者のランディング・ページには怪しい効能が書かれることになります。

◇ 怪しいメラトニン商法

「メラノサイトに作用して肌を白くするホルモン」として外部からの補充を行うという短絡的な民間療法が一部で見られます。メラトニンは両生類のメラノサイトに作用して皮膚を白く(または透明に)します。おたまじゃくしの皮膚を透明にしてもヒトには作用しないので、哺乳類である人間の場合は肌の色に変化はありません。

若返りのホルモンとして紹介されることもありますが、体内で酸化されたものは還元されにくいものです。抗酸化物質といっても酸化を防止する作用しかないので、若返りではなく老化を遅らせるという表現の方が的確です。

骨密度を下げないので、「骨粗しょう症に効果がある」というのも詭弁に近いものがあり、正確には「質のいい睡眠が砕骨細胞を活発にさせない」という意味です。メラトニンが骨粗しょう症の進行を防ぐわけではありません。

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