誤飲が原因の急性ニコチン中毒

byouin2

通常の喫煙によりニコチンに対して依存性が形成された場合は、単なる「ニコチン依存症」という表現であり、中毒症状とは言いません。ニコチン中毒は誤飲などにより飲み込んだ場合に起きる中毒症状のことを意味します。

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◇ 急性ニコチン中毒と致死量

急性ニコチン中毒とはタバコの誤飲が原因で起こる中毒症状で、誤飲事故の中でも最も多いのが「小児がタバコを飲み込んでしまう」という事。致死量は意外と少なく、小児では約20mg、成人が間違って飲み込んだ場合でも60mgで死亡するという毒性の高い物質で、青酸カリの2倍以上の毒性を持っています。

タバコ1本あたりに含まれるニコチンは約20mgで、タバコの箱に表示されているタール10mgニコチン0.8mgなどという数字は、ISO(国際標準化機構)により機械測定されたものです。吸わない時間を含めてフィルターを通して測定したものなので、副流煙を含まない測定値になり、実際のニコチン含有量は表示されている数字の10倍以上ということになります。

というわけで、タバコを何本吸っても肺に入った場合は致死量に達することはありませんが、胃で吸収された場合は成人でも3本、小児では1本が致死量になります。また、日本でも観賞用として販売されている「カラシタネ」という植物にもニコチンが含まれているので、これを食べた者が急性ニコチン中毒を起こした例もあります。

◇ ニコチンによる急性中毒症状

過去に高校生が学校で喫煙しているところを教師に見つかり、罰としてタバコを1本食わせられたという事件もありましたが、この時は胃に激痛が走って血液を吐いたため、救急車を呼ぶという騒ぎになりました。検査の結果、胃穿孔があったとのこと。

急性ニコチン中毒の主な症状として、軽症の場合は、眩暈、発汗、嘔吐、血圧上昇などが起きます。しかし、ニコチンの誤飲では、体内で溶出、吸収という過程があるので、吸収に至るまでに時間がかかります。また、ニコチンは嘔吐を起こさせる作用があるので、通常は吐き出してしまうことが多く、胃酸によって溶出が阻害されるため、ほとんどの場合が軽症で済みます。

応急処置のつもりで水を飲ませた場合や、タバコが水に溶けていた場合はニコチンの吸収が早くなるので、危険な状態に陥る可能性が高くなりますが、病院で処置を受ければ重症になる事もなく、慌てて病院に連れていっても処置の必要がないケースが多くなっています。

運悪く重症であれば、錯乱や痙攣、呼吸筋の麻痺や低血圧など、自律神経の異常による症状が出てくると、稀に生命の危険にさらされることが考えられます。

◇ 急性ニコチン中毒の治療

ニコチンは水に溶けやすいので、タバコが濡れていた場合はニコチンの大半が溶出していた可能性があり、ニコチン濃度が急激に上がることがあります。小児の場合は、「タバコが水で濡れていたかどうか?」「食べた量が大量だったかどうか?」という点で緊急度や処置が異なります。

どちらにしても、すぐに病院に連れていく方が安心できます。意思表示のできない2歳までの子供に多い中毒なので、何も処置をしないで診察を受けましょう。

病院では、誤飲が大量で1時間以内であれば胃洗浄を行います。経過時間が不明の場合や、飲み込んだタバコが少量の場合は、吐かせると痙攣が悪化するので対症療法を行います。症状が出るまでは経過観察ということもあります。

重病の場合は主に呼吸の状態と徐脈、けいれん発作、意識レベルが問題になるので、場合によっては気道確保の後に酸素投与と補液を行い、けいれんを起こしていればジアゼパムの静注、徐脈に対してはアトロピンの静注が行われます。

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