フグ中毒とチャイナリスク

hugu

国内で起こる食中毒の中では、フグ毒のテトロドトキシンによる死亡者が全体の半数以上を占めています。一般的に知られている症状ではしびれや呼吸不全ですが、しびれを目的に食べる人は後を絶たないようで、危険を覚悟しながら食べた者が死亡するというケースが大半を占めています。

スポンサードリンク



◇ フグ毒のテトロドトキシンとは

フグ毒として有名なテトロドトキシンは、フグが産生した毒ではありません。フグは巻貝やヒトデ、ヒョウモンダコなどが産生したテトロドトキシンを体内に取り込む性質があるので、エサが違うと海域によって毒性の強さや、フグ毒を持つ部分が異なります。

一般に肝臓や卵巣に中毒の危険性がありますが、同じ海域で獲れたフグでも毒性や有毒部分に個体差があるので、肝臓に毒性が少なかったからといっても、他のフグの毒性が強い場合があるので油断はできません。

また、養殖場で人工の餌だけで育ったフグは無毒化しますが、1匹でも毒を持っていれば全てのフグが毒性を持ってしまうので、免許を持った者しか調理が出来ない事になっています。

テトロドトキシンはタンパク質ではないので、加熱してもタンパク質のように変性しないので毒性は変わりません。また、タンパク質であれば人間が抗体を作って被害が及ぶことはありませんが、誰に対しても毒性が変わらないのが面倒なところです。

◇ フグ毒の中毒症状と治療

微量のテトロドトキシンであれば、口から麻痺していき、手足がしびれて呼吸筋の麻痺により呼吸困難を起こします。呼吸が停止すれば次に心臓が停止します。顔や手足のしびれの後に運動麻痺や失声の症状があるので、その時点で助けを呼ぶことができなくなり、その後、呼吸困難や低血圧、徐脈などを伴いながら呼吸停止に陥ります。

死亡に至る原因は「助けを呼べない状態になること」であり、低血圧や徐脈で死亡することはなく、呼吸筋の麻痺が起きて呼吸停止の時点でも意識があります。しかし、周りに人がいる場合でも運動麻痺によって声が出せません。そのまま放置された場合に、呼吸停止の後に心停止に至ります。

呼吸停止の前に人工呼吸が可能であれば死亡することはほとんどなく、テトロドトキシンの代謝と排出が早いため、自発呼吸が戻るまで人工呼吸を繰り返していれば、生命の危険はありません。

フグ毒を大量に持っている固体(猛毒のフグともいいます)の場合、人工呼吸を行っても低血圧が起きる事があります。医療機関では昇圧剤が使われて、徐脈があればアトロピンの投与を行います。フグを食べた後、1時間以内であれば胃洗浄と活性炭の投与が行われることもあります。1時間以内に自ら嘔吐した場合は、それほど危険がないとも言えます。

◇ フグ中毒とチャイナリスク

テトロドトキシンの致死量は2~3mgであり、青酸カリと比較すると1000倍弱の高い毒性がありますが、中国から輸出される魚にフグ毒が混ざっていることが問題になることがあります。

中国の輸出業者の品質はチャイナリスクと呼ばれ、中国産食品を含む中国製品の危険性は世界から排除されて、チャイナフリーの安全な食品が出回るようになってきました。しかし、現在の日本ではフグの輸入先は99%が中国であり、特に安全性に問題があると言われています。

食品衛生法では、国内での消費者に対する有毒部位提供に対する罰則として、「3年以下の懲役または300万円以下(法人の場合は1億円以下)の罰金」となっています。フグの調理に関しては都道府県条例で定められているため、国内では問題が無いように思えます。

フグの輸入の際は未加工または内臓を取り除いた形であり安全性は保たれているものの、ホルムアルデヒドの添加物や、同時に扱われた魚の危険性は排除できるとは限らず、チャイナリスクの残る海産物と言えるかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る