抗うつ剤サインバルタの意外な離脱症状

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抗うつ剤のサインバルタは世界的に売り上げの多い薬で、SNRIに分類される新しい薬です。適応症はうつ病以外に心因性疼痛の緩和としても整形外科やペインクリニックなどで使用されています。しかし、病気が治った後に薬を急にやめると思わぬ離脱症状が出るため、減量の方法が問題になります。

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◇ サインバルタに隠された離脱症状

離脱症状は、抗うつ剤全般で見られるもので、古典的な三環系、四環系抗うつ剤をはじめ、SSRIやSNRIに至るまで個人差や程度の違いはありますが、離脱症状は起こります。SNRIの中でも特に多いのがサインバルタ(デュロキセチン)の離脱症状であり、その酷さが問題になっています。

これらは、抗うつ薬中断症候群やSSRI離脱症候群などと呼ばれています。抗うつ剤の減薬や断薬による離脱症状が原因となり、「頭の中で音が聞こえる」、「電撃が走る」、「手足にビリビリとした感覚」、「眩暈」、「知覚過敏」という不快な感覚が、抗うつ剤を服用している患者に共通した症状として起こります。

不安感や聴覚異常が原因で服用を始めた場合でも、最初は気分が良くなって症状は治まりますが、服用をやめればひどい聴覚異常と不安感などの症状が現れるようになります。

◇ サインバルタの性質と離脱の関係

通常、SNRIを抗うつ剤として使用する場合は、飲みはじめの服用量を少なめに処方して、セロトニンに作用して効果が出るまでしばらく待ちます。その後1~2週間経過すると、ノルアドレナリンの作用を得るために服用量を2倍程度に増やします。そして本来の抗うつ剤としての作用を得ることが出来ます。

サインバルタは効果の発現が早く、早い場合は服用数時間後に鬱の落ち込んだ気分が解消されます。漠然とした不安感にも効果があるため、精神安定剤代わりに処方することもあります。作用と効果を考えれば、ほとんどの患者に共通して顕著な効果のあるキレのいい抗うつ剤、といういい薬です。

効果が現れるまでに時間がかからないため、他の抗うつ剤と比較すると「今まで飲んできた抗うつ剤は全く効かなかったのに、サインバルタで落ち込みも無くなり、アクティブになるという極端な変化も見られます。

◇ 効果のある薬はそれなりに副作用も

そして、一般的に薬の作用が現れるまでの時間が短いほど副作用が多く出やすいものです。副作用の発疹や吐き気、頭痛などであれば、その薬をやめる事で症状は無くなります。

サインバルタの場合は基本的に長期間飲み続ける性質の薬であり、1~2カ月程度で依存性が生じるため、その後は薬をやめると離脱症状に苦しむことになります。しかし副作用対策だけでなく、離脱症状から抜け出すためであっても薬を飲めば簡単に治ります。麻薬中毒に似た感じもしますが、服用量が増えるわけではないので、そのあたりは異なります。

離脱症状に関しては、肝臓で代謝が行われる時間(半減期)が10.6時間と短いので、離脱症状が酷いのではないかという説もあるようです。薬を急にやめた場合に体から抜けていく時間が早いので、急に効果がなくなり中枢神経に与える影響が多いという説です。

◇ 神経性疼痛の治療薬、サインバルタ

サインバルタは2009年に抗うつ剤として発売されましたが、2012年に適応症が追加されて「糖尿病性神経障害・線維筋痛症に伴う疼痛」に対しても保険が適応になっています。他のSSRIやSNRIは疼痛緩和に効果がありません。

神経性疼痛が酷い場合でも、速効性と持続性のあるいい薬として重宝されています。疼痛緩和の薬としては、リリカ(プレガバリン)やトラムセット(弱オピオイド)がありますが、それらによくある副作用として、ふらつきや眠気の症状が出ないところも疼痛緩和の観点からは他に見られない、いい薬です。

神経性疼痛では下行神経系の制御にもSSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)が使われて効果を発揮します。再取り込み阻害剤という表現は分かりにくいかもしれませんが、結果的にセロトニンの濃度を上げるといっても間違いではありません。そのセロトニンが一つの下行疼痛系を制御しているので、濃度が上がれば痛みの制御が正常に行われて、疼痛緩和に役立つものです。

疼痛の場合も、痛みが酷いとサインバルタを漫然と飲み続けて離脱症状を起こすことがあります。疼痛の場合は服用の仕方に厳格な規定があるわけではないので、離脱症状を起こさないように自分で服用量を調整する事が必要です。

◇ サインバルタ離脱症状の対処法

錠剤であれば少しずつ減らすことも可能ですが、サインバルタは小腸で溶ける顆粒で、20mg単位でカプセルに入っています。カプセルの中身を飲むと胃で溶けるので、自分で少しずつカプセルの中の顆粒を減らすという手もあります。調剤薬局に行けば少し少ない量をカプセルに入れることは可能ですが、その場合は医師の処方箋が必要になります。

60mgであれば、10mg単位で時間をかけて減らしていくのがいいでしょう。または、自分に合った他の抗うつ剤(三環系でもSSRIでも可)を飲みながら我慢するという方法もあります。

まだ新しい薬という事もありますが、医師は離脱症状を把握していないので、いきなり処方しなくなることがあります。医師には断薬を伝えない方がいいかもしれません。薬剤師に相談する方が的確なコメントをもらえます。

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