生体腎移植の適合性と移植費用

byouin2

健康な腎臓の場合は、片方でも十分に機能を果たして余力が残っています。腎障害が悪化するとしても両側が同時に障害を起こすので、生体腎移植のドナー登録をしても特に問題は無いように思えます。しかし、ドナー登録車数は圧倒的に少なく、年間では透析患者の0.04%しか移植を受ける事が出来ないというのが現状です。

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◇ 腎臓移植の需要と供給

腎機能が10%以下に下がった時に腎移植、または血液透析を受ける判断をせまられます。現在の透析患者数は27万人を超えていますが、その中でも移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録している人数は透析患者数の5%にあたる13,000人程度です。そして実際に移植を受けられる患者数は、年間で登録者の1%の約120人という少なさです。

透析を受けている患者の2,000人に1人は生体間移植を受けられて、血液透析や食事制限が不要になり、かつての健康で自由な生活を取り戻しています。最近では手術の安全性が高まってきたこともあり、親子間に比べて夫婦間の生体腎移植が増えています。

夫婦が一緒に腎臓移植の意思表示をすれば、例え血液型が違っても腎移植が行われます。移植後5年経過して拒絶反応もなく生着する確率は92%以上になっているので、特に不安を感じる事もなく自分の腎臓を提供することができます。

これに対して、アメリカでは年間に15,000件の移植が行われているという現状もあります。日本の透析患者27万人は透析で腎臓の残った機能を温存しながら血液透析を続けた結果、心筋梗塞や脳梗塞その他の合併症を起こして毎年8,000人がドナーを待ちながら死亡しています。

◇ 生体ドナーとレシピエントの問題

生体ドナーの条件は親族6親等、姻族3親等以内であり、健康な腎臓を持ち、自発的な腎臓提供の意思表示ができること。全身性の感染症がなく、悪性腫瘍が治癒していれば問題ありません。70歳以上の場合は慎重に検討されます。

日本では過去に20,000例を超えるドナーの腎臓摘出が行われてきましたが、残った腎臓の機能は摘出前の70%程度に低下して、その状態をキープするので負担はそれほど大きなものではありません。

ドナーは腎臓提供後にタンパク尿が見られることがあるため、毎年1回の検査を10年にわたって受ける必要があります。また、かつての摘出手術は開腹でしたが、近年では内視鏡下で手術が行われているので執刀医の腕が関係します。

腎臓移植に際して、血液型やHLAのタイプが同じではない場合、拒否反応を起こす可能性があるので移植にはふさわしくない、というのが以前の常識でしたが、現在ではどちらも関係なく手術が可能になっています。

◇ 移植手術と移植後の費用負担

ドナーの手術費用はレシピエント(移植を受ける方)の健康保険が使われます。レシピエントは透析を受けていれば、1級身障者医療証と長期特定疾病医療証の交付を受けています。移植の際には更生医療などの助成を受ける事ができるので、どちらも負担が軽くなっています。

レシピエントは登録料(3万円)と移植コーディネート料(10万円)が必要になります(生活保護・住民税非課税世帯は免除)。事前の検査費用を含めて移植後までドナーの負担は実質的にありません。

移植に必要な実費は400万円~500万円ですが、健康保険に加入している場合、実際に支払う金額は数万円で済みます。また、移植が成功するとレシピエントは身体障碍1級から3級に変わるので、収入次第では何らかの負担はあるかもしれません。

◇ 待てない人のための異種移植

人間の腎臓提供者が足りなければ、他の動物の腎臓を使えばいいのではないか?というわけで、最も人間に近い腎臓を持つブタが異種移植の相手として最もふさわしく、拒絶反応や感染症のリスクを減らすために、豚の遺伝子の編集が行われています。

以前から「人間の臓器を他の動物の体内で作る」というキメラ技術が進められてきましたが、その対象になった動物が先天的な異常を持って生まれてくることが問題になり、一部の研究機関では補助金の打ち切りもあるとのこと。

2016年には人間に移植する腎臓を作るために、人間向けに62か所の遺伝子を編集したブタの受精卵が作られて、異種移植としてドナーが大量に作られる予定です。倫理的な問題も少ないことから、今後の主流になると思われます。

厚生労働省は異種移植解禁に向けて、新たな指針を作成中とのことです。

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