インスリノーマによる低血糖に注意!

byouin2

膵臓が腫瘍によって圧迫されると、低血糖でもインスリンの分泌が止まらないということが起きてしまいます。ブドウ糖の投与によって低血糖が治らない場合は腫瘍の摘出が必要になりますが、腫瘍が小さいため見逃しやすい病気となっています。

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◇ インスリノーマの原因と症状

インスリンを分泌する膵臓β細胞(膵島)に腫瘍ができる事により、インスリンが過剰に分泌されることをインスリノーマ(膵島腫瘍)といいます。食事をすれば最終的にインスリンの働きでグルコースに分解されて、エネルギー源として脂肪細胞にストックされるため、過度の分泌により血液中のブドウ糖が消費されて低血糖になります。

インスリンの分泌量が少ないと高血糖になり、長期的に見ると血管の内皮細胞に影響を与えて動脈硬化の原因になります。インスリノーマの場合はインスリンの分泌過多によって、過度の低血糖に陥ります。

低血糖はインスリン過多や過剰な運動も原因になりますが、インスリンで多糖類がブドウ糖に分解されても、カロリー消費が行われない限り脂肪細胞に蓄積していきます。その結果、血液中のブドウ糖(グルコース)濃度が減少していき、脳に送るべきグルコースが減少するために、エネルギー源を失って倦怠感や集中力、思考力の低下が起こります。

◇ 低血糖に対する身体的な防御機能

単なる一時的な低血糖であれば、脳内の中枢神経が低血糖を察知して血糖値を上げるために、血糖値を上げる作用のあるホルモンであるグルカゴンやアドレナリンを分泌して対処しようとします。

しかし、慢性的なインスリノーマがあれば、低血糖に慣れてしまい低血糖に対処しようとしなくなります。グルコースが消費されなくなると脂肪細胞にグルコースが蓄積して血液中のグルコースの濃度が減り、低血糖になります。

本来はATPとして細胞に蓄えられるエネルギー源が使われないまま血液中のブドウ糖が減少すると、脂肪細胞にグルコースが溜まるため低血糖によって食欲が増加して肥満を招きます。成長ホルモンや甲状腺ホルモンなども血糖値を上げる神経伝達物質ですが、加齢に伴って分泌量が減っていくので、あまり期待はできません。

人間は血糖値を上げるために、グルカゴンやアドレナリンによって血糖値を上昇させようとしますが、アドレナリンで血糖値を上げようとすると振戦やせん妄、意識障害などの神経症状が現れて、低血糖に対処する間もなく、昏睡に至ります。

◇ インスリノーマの治療法

通常の低血糖であれば、ブドウ糖の補給で危機を脱することができますが、インスリノーマの場合は低血糖による危機的症状が起きても、さらにインスリンの分泌を続けることが問題になります。

病院での対症療法としてもブドウ糖の静注が一時的な処置として有効で、次にインスリノーマの画像診断を行いますが、腫瘍のサイズは大きくても3センチ程度なので、CTスキャンや腹部エコーで腫瘍を発見できる確率は40%程度に留まり、見過ごされることが多い病気です。

腫瘍の摘出を行うと症状は改善するため、選択的動脈内カルシウム注入試験を行うと腫瘍が発見されて、開腹手術により腫瘍摘出と膵管に影響を及ぼしている周辺臓器の切除を行います。腫瘍が周辺に影響を及ぼしていなければ腹腔鏡下での手術も可能です。

術後は血糖値が上がり糖尿病気味になることもありますが、一時的な症状でありほとんどの場合、治癒します。

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