体位性頻脈症候群(POTS)の様々な原因 

byouin2

多くの症候名を付けられている病名であり、症状の寄せ集めのようなものになっています。立ち上がった時にふらつくという起立性低血圧と間違われることもありますが、治療の必要がない起立性低血圧と比べて、原因となる疾患が複数なので、その特定と治療が必要になります。

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◇ 症状は起立性低血圧に似ていますが・・・

起立性低血圧(OD)は立ち上がった時に血圧が15%以上降下して、めまいやふらつき、立ちくらみなどを起こす低血圧のことですが、体位性頻脈症候群(POTS)では血圧の変化がなく、頻脈が起きるのが異なる点です。年齢層では思春期に多く片頭痛の既往歴があれば危険度が増します。

体位性頻脈症候群(POTS:Postural orthostatic tachycardia syndrome)とは、身体的には異常が見つからないにもかかわらず、立ち上がった時や体の向きを変えた時に頻脈(心拍数の増加)が起きるのが特徴です。心拍数が減るのは徐脈と言います。

通常は、安静にしている状態から立ち上がると、115以上の心拍数に上がり、相対的には35以上の脈拍の変化があれば体位性頻脈症候群と診断されることもありますが、身体的に異常がないので、単なる気のせいでもある「心気症」や、自律神経が影響している「心身症」と診断されることがあります。

◇ 診断ができない時は、心気症と自律神経失調症

心気症や心身症は患者の主観による病気であり、医師の診察はあまり関係しません。そのため原因不明になる事が多く、治療方針も決まりにくいものです。しかし、立っている状態でも脈拍に30回程度の変化があれば、転倒の危険があります。

症状も起立性低血圧と似ている部分が多いのですが、血圧の低下は見られません。下半身に血液が集まることで、失神や頭痛、倦怠感、頻脈、動悸が起きるようになります。直接の原因は判明していませんが、原因となる体の不調はある程度絞られています。

◇ 体位性頻脈症候群の原因とは?

主に脳への血流不足が原因になります。下半身に血液が集まることで脳が虚血を起こすために、交感神経が脈拍を上げて対処しようとします。毎日の睡眠リズムが正確であれば、就寝時に副交感神経が優位になり、起床時には交感神経が働きます。

不規則な睡眠時間によって日周リズムにずれが生じると、昼頃に交感神経が優位になったり、就寝時間になっても副交感神経は優位にならず、頭が活動している状態のままでは寝つきが悪くなります。そして朝の寝起きが悪くなり、日中の精神活動が低下して集中力や思考力の低下が起こりやすくなります。しかし、この程度であれば症状を訴えることは少なく重症度は低いものです。

他の原因として、脳幹にできる視床下部過誤腫があれば、自律神経が正常に働かず、頻脈を起こすとともにふらつきや転倒など危険な症状が成長するにつれて現れるようになります。この場合はガンマナイフや定位放射線治療、陽子線治療などによって腫瘍を取り除くことが必要になります。

また、子宮頸がんワクチンの副反応として、POTSの発生頻度に関しては危険がないというはっきりした根拠は示されていません。思春期には自律神経に失調を来す者が多いため、ワクチンの副反応が起きても「自律神経失調症に含めてしまおう」という厚労省の思惑が見えそうです。

◇ 体位性頻脈症候群の治療法

下肢に血液が溜まって心臓に戻りにくい状態になるので、弾性ストッキングを穿いて適度に圧迫感を与えれば下半身の鬱血が減ります。症状が出にくくなり酷くならずに済みます。

足の運動も有効で、室内であればエアロバイク、屋外ではウォーキングなどの有酸素運動で治る可能性はあります。東洋医学では整体や鍼だけで簡単に治せる病気でもあり、薬に頼らないで治る病気とも言えます。

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