
プラスチックに分類されるレジンとは、歯科領域やジェルネイル、アクセサリーなど広範囲で使われているレジン液によるレジンアレルギーが見られます。一度症状が出ると原因物質を特定するまで治癒は難しく、間接的にアレルゲン(アレルギーを起こす物質)に触れていると気付かない事があるため、ある程度の特定を行っておく必要があります。 スポンサードリンク
◇ レジンアレルギーの原因物質
最近ではハンドメイドのアクセサリーやネイルジェルの硬化剤としてレジン液が使われています。エポキシ樹脂に混ぜるとUVレジンが硬化するというエポキシレジンを使ったアクセサリーや子供のおもちゃなども販売されています。2液性のエポキシ樹脂硬化剤にもレジンが含まれています。
特に多いのが歯科で使われているレジン系接着剤のレジンセメントや、レジンの詰め物、仮歯の接着剤などに使われています。歯科で使われているレジン液は1980年頃にHEMA(ヒドロエチルメタクリレート)に変更されて以来、コンポジットレジンなどの材料の普及により、レジンアレルギーの患者が増えています。
歯科用水銀アマルガムには5種類の金属を含み、患者が受ける毒性は水銀が溶出しながら全身に影響を与えます。歯科では患者がアレルギー反応を起こす可能性のある金属が使われているため、事前にパッチテストを行う必要があります。
銀歯は金銀パラジウムの合金なのでアレルギーを起こしにくいのですが、稀にパラジウムアレルギーの患者がいます。この場合でも接着剤のレジンがアレルゲンと勘違いする歯科医師が多いので、患者がアレルギー物質の自己申告を行わない限り、何度も原因物質に晒されたり接触を続けることになります。
◇ レジンアレルギーの症状と治療
ハンドメイドの樹脂製アクセサリーの製作などで取り扱うことが増えている昨今では、ネイルジェルを塗る時にもレジン液に触れることが多く、アレルギー体質の場合では遅くとも数日以内に皮膚炎を起こします。
レジン液に触れた手のひらを中心に、発赤(広範囲が赤みを帯びる)や水泡、腫れ、発疹、蕁麻疹、痒みや熱感、痛みなどの症状が出ることがあります。部分的ではなく、アトピーに似た皮膚炎の全身症状が出ることがあります。
ほとんどのアレルギーにおいて症状と経過は共通していますが、症状の大小と治療期間、効果のある薬については個人差があります。基本的に抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、ステロイド(飲み薬・塗り薬)の3種類が使われるとしても、はっきりとした効果が期待できる薬を選択するのは難しいものです。原因追求よりも治療優先であれば、皮膚科を数か所受診する必要があるかもしれません。
現在のレジン液でも「アレルギー反応を起こさない」というものは使われていないので、どうしても必要な時は皮膚に付けないこと、ゴーグルをつけて目を守る、N95以上の防塵マスクをつける、などの対策が必要になります。
レジンが硬化すれば接触によるアレルギーを起こす事は滅多に起こらないので、硬化してレジン液が揮発するまでに注意を払えば、その後の危険性は減少します。

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