乳児期に影響を受ける「愛情遮断症候群」とは? | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

乳児期に影響を受ける「愛情遮断症候群」とは?

赤ちゃん

乳児期に親の愛情不足があると、身体的な成長や精神的な発達が遅れることがあります。現在では身体的な成長以外に病的な症状があるわけではなく、治療が必要になるとは限りません。人格形成を左右する幼児期の愛情不足が影響した結果、成人した後に多くの症状が表れるようになります。

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◇ 愛情遮断症候群の概要

母親の愛情不足や子供に対する冷たい態度が主な原因になります。子供が母親の愛情を感じることができず、甘えたり注意を引こうと努力しても母親に期待できないと気付いた時に「愛情遮断症候群」になる可能性があります。

子供は常にストレスを感じる環境で仕方なく生活することになり、ストレスは睡眠リズムの不調や成長ホルモンの分泌の低下を引き起こし、結果的に成長ホルモン分泌不全性低身長症という成長障害が起きるのが特徴です。成長障害は左手の骨年齢や血液検査によるホルモン濃度、染色体検査により診断が行われます。

◇ 世代間伝達による負の連鎖

親の愛情を感じることもなく成長した子供は、幼児期に自分の性格形成に影響を受けたことなど自覚できるはずもなく、愛情不足によるストレスは記憶から消え去っています。

その子供が成長して親になったときに、自分の子供に対して愛情を与えることができないため、「愛情不足が何世代にもわたって続いていく」という事が起こります。したがって、現在の母親が幼児期に受けた愛情不足も、自分の子供への愛情不足の原因になります。その他に、親の精神的な疾患、虐待、無視、育児放棄なども関係します。

一般的に、母親は自分が受けた愛情不足に気づくと、自分の子供に対して同じような状況を避けようとすると思われがちですが、性格形成が行われる幼児期の記憶がほとんど残らないため世代間伝達が起こります。そして母親は本能的に自分が受けた愛情不足と同じことを繰り返します。

愛情不足から愛情遮断症候群に至るまでに、子供は初期症状と思える行動を起こします。その時点で何らかの対処を取ればホルモンの分泌異常も起こらず、極端な低身長を心配する必要もなくなります。

◇ 愛情不足の子供の初期症状とは?

愛情遮断症候群に至るまでに、子供は態度や行動でアピールします。甘えることが増えたり、親に対して目立つ行動を取って注意を引こうとします。構ってもらいたいという淡い期待が込められていますが、鈍感な母親はそれに気づきにくいものです。この時に父親が母親の代役ができれば子供はストレスから解放されるものですが、父親にも期待できないと気付くと他の人に構ってもらおうと代役を探します。

子供にとって愛情不足が最も大きなストレスになり、ほかの子供に比べて極端な低身長が目立つようになります。この時、ストレスによる栄養障害により痩せることもあり、フラストレーションから逆に食欲旺盛になり過食気味になることもあります。

ストレスを軽減させるための措置を取らない限り、愛情不足から愛情遮断症候群に進行します。そして成長に伴って多くの症状が出るようになります。成長する過程では、感情の変化が少なくなり表情も乏しく、精神遅滞や言語障害、異常行動などが顕著になり、対人関係を良好に保つことが困難になります。

◇ そのまま成人した場合の体の変化

遅くとも思春期までに周りの者が気づいて入院治療を始めると、成長ホルモンの注射によって本来の身長まで成長すると言われています。治療の時期を逃すと成人になっても身長120cmなどというケースもあるようですが、現在では成人でも成長ホルモンの自己注射が保険適応になっています。

成長ホルモンの不足が原因になり、LDLコレステロールと中性脂肪が増加するため、動脈硬化が進行して心筋梗塞の原因になります。中性脂肪の増加によって内臓脂肪が増えて肥満体質になると、筋肉量が減少して限りなく糖尿病を発病しやすい体質になります。心機能の低下によってスポーツの制限が行われて次第に小さい運動量になり、思春期を超えると老化が始まるようなものです。

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