以前からあった新しい病気「小児四肢疼痛発作症」

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乳幼児に特異的に起こる痛みの発作。最近になって遺伝子解析により、その痛みの原因が判明しています。家族性の疼痛発作なので、自分に痛みの経験があれば子供にも遺伝しています。意思表示ができない乳幼児が発作的に泣き始め、数十分間持続する場合は痛みが原因かもしれません。

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◇ 夜泣きの原因は痛みの発作だった!?

痛みを訴えることができない乳幼児に多い病気で、四肢の関節や筋肉の神経性疼痛が1か月に数十回ほど発作的に起こり、痛みが15分~30分持続するという遺伝性の病気が2016年7月に発見されました。潜在的な患者数は数千人に及び、乳幼児が発病していると言われ、実は「よく泣く子」の機嫌が悪いわけではなく、手足の痛みを訴えている可能性も僅かながら考えられるということになります。

1~2歳の乳幼児の発病が多く、話ができるようになった子供が痛みを訴えるようになり、発作的に30分ほど痛みが持続することが判明。成長に伴って次第に痛みが減少していくため、発病当初の痛みの程度はわかっていませんが、夜中に痛みの発作が何度も続きますが、それを夜泣きと勘違いしていた可能性は高いかもしれません。

10代後半になると痛みの程度は次第に減少していき、いずれ発作は起きなくなります。発症者に共通しているのが遺伝子変異の中でも単一の塩基(SCN11A)なので、原因遺伝子が一つの場合は家族性の遺伝子疾患が多く、遺伝子検査によって「泣き続けている子供」が痛みを感じていることが判明します。親のどちらかに遺伝子変異があれば、同じように夜泣きが長く、思春期を超えたあたりで痛みが無くなったという経験があるはずです。

◇ 病気の発見により治療薬の開発も

学童の場合は長期間にわたって欠席することもあると言われます。寒く悪天候の日には特に痛み発作が起きやすいので、ずる休みと思う親がいるかもしれません。子供が痛みを口実に学校を休もうとしている場合、「両側が同じように痛む」と子供が言えば信憑性は少ないかもしれません。

どちらか片側に起きる鈍痛が特徴ですが、機械的刺激では疼痛の閾値(痛みを感じる程度)が下がっていくため、単に痛みを感じやすい状態になります。例えば、以前は気にしなかったような痛みでも我慢できなくなり、薬を飲むということが増えてきます。痛みの閾値が下がるのは気のせいでも錯覚でもなく、実際に痛みを感じています。また、冷やすと痛みが増して、温めると痛みは収まっていきます。

「痛みの閾値」に関しては、習慣性のある鎮痛剤を飲みすぎた場合でも痛みの閾値を下げるため、安易に鎮痛剤を服用してしまうようになります。市販薬の合剤(複数の鎮痛成分が含まれているもの)では、アプロナール(アリルイソプロピルアセチル尿素)が含まれている鎮痛剤はできるだけ避けて、アセトアミノフェン単一成分のものを使い、効かないときは服用量を増やすのが無難です。骨や筋肉に炎症がある場合は、消炎酵素剤や消炎作用のある鎮痛剤を使うと楽になる場合があります。

骨が急に成長すると痛みを感じる「成長痛」と呼ばれる症状が知られていましたが、痛みの種類別に分類して治療法が確立されると思われます。四肢疼痛発作症のメカニズムと遺伝子の特定は済んでいるので、治療薬の開発はそれほど先にならないと思われます。

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