ICU症候群 ~せん妄防止の必要性~

isya3

術後せん妄は看護師や精神科医によるフォローが無い限り、避けることが難しいものです。ICU症候群の症状として「術後せん妄」が起こりますが、リアルな幻覚を伴い、せん妄が起きている間の記憶は残らないという面倒なことも起こります。

スポンサードリンク



幻覚は患者にとって実際に起きたこととして処理されるため、家族との会話で多くの矛盾が出てきますが、不都合がなければ全て否定することは避ける方がいいかもしれません。全身麻酔の後は、胸部外科医が訴えられるような事態を招きやすいものです。

◇ 刺激的な治療が行われるICU?

ICUとは、「急性の重篤な症状に対して集中的な治療を行い一般病棟に移るまでに必要な処置・手術が可能で、バイタルの24時間モニタリングが可能な治療室」

ICUは「Intensive Care Unit:集中的な治療室」の略ですが、近年ではICUで数日間にわたりモニタリングと監視下に置かれると、「術後せん妄」を起こしやすい環境になっています。せん妄を症状とする基礎疾患を持たない場合でも、子供から高齢者まで年齢を問わず起こす可能性があります。

術後に麻酔から覚めると、カテーテルやドレーンチューブに繋がれてバイタルサインを示すモニター類に囲まれて、電子音が常に聞こえている環境です。動くことも自由ではなく、会話を交わす相手は過労とストレスによる、うつ病発症寸前の医師と麻酔科医。

自分だけならまだしも、他に急な手術を要する重症患者が多く、中には死亡するものまで出てくる状況。自分は危険な状態で悪化しているのか?いつまでここにいるのか?一般病室に戻ることはできるのか?という疑問もわいてきます。

患者や家族にとって、ある意味「Insentive Care Unit:刺激的な治療室」の影響とも言える、せん妄の原因が多い治療室です。

◇ 麻酔が切れる寸前の状態とせん妄

せん妄とは、頭部に異常がない場合でも頭が混乱し、幻覚や意識障害、見当識の異常、会話が成立しない、暴れる、などの症状が主なもので、一時的な症状のため環境を変えて休むと正常な状態に戻ります。せん妄が無くなったあとは見当識の異常によって状況の把握ができていなかった患者は、せん妄を起こしている間の記憶が全くありません。

現実と区別のつかないリアルな夢を延々と見ることがあり、夢の中で起きた事が患者にとっては既成事実が作られて本当に起こった記憶として存在するので、誤解を解く必要もあります。また、全身麻酔薬の種類によってはエロティックな幻覚を見ることが多いので、「医師に痴漢の被害を受けた!」などと断定的に言うようになります。

◇ ICU症候群の検査とフォロー

1日中明るく時間の感覚の無い場所で、満足な睡眠も取れず、考えることは自分の病気と今後の状態。家族と面会の時間はほとんどなく、医師の許可が下りても5分程度です。術後の強い不安と抑うつがあれば心因性のせん妄を起こしても不思議ではありません。術後せん妄を起こすことを前提として、手術前と手術後に看護師や精神科医が患者に説明をすることで精神状態を正常に保つためのケアを行います。

ICU症候群の検査としては、患者自身の自己申告と客観的に観察した結果、治療の必要があると判断した場合に、安定剤、向精神薬、必要に応じて睡眠薬の投与を行います。それに加えて、患者の不安を取り除くために、術後せん妄の説明、症状と今後の経過などを説明することで患者に安心感を与える必要があります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る