自己免疫性膵炎(IgG4関連疾患)

byouin2

自己免疫性膵炎(AIP)といえば1型糖尿病を連想するかもしれません。IgG4関連疾患としての自己免疫性膵炎の場合は、1型、2型を問わず糖尿病の合併症として起こります。IgG4関連疾患とは、膵臓を含めたほとんどの内臓に腫瘍や炎症の形で起こる炎症性疾患であり、膵管が圧迫されることによって膵臓の分泌機能低下を起こします。IgG4関連疾患と判明するまでは、膵臓がんや単なる炎症との区別がつきにくいものです。

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◇ 自己免疫性膵炎の特徴

糖尿病の合併症として自己免疫性膵炎(AIP)を発症することがありますが、糖尿病として治療中に病名が変更される場合も稀にあります。膵炎と腫脹がゆっくり進行していくため自覚症状はほとんどありません。自己免疫性膵炎にもⅠ型とⅡ型があるので、患者としては糖尿病との関連がわかりにくいかもしれません。

自己免疫性膵炎の特徴として、膵管が狭くなると胆汁が大腸に分泌されなくなり、分かりやすい症状では黄疸や背部痛が起こります。膵管の閉塞に伴ってインスリンの分泌が減少すると急性の糖尿病になりますが、免疫性疾患や炎症性疾患の場合にステロイドを使うと、炎症や腫脹により狭窄を起こしている部分が広くなり血糖値は正常に戻ります。

通常の糖尿病はステロイドを使うとインスリンの感受性が低下するため、血糖値が急激に上昇します(肝臓での糖新生を促進して血糖値が上がります)。また、健康であってもステロイドの漫然とした使用は一時的に糖尿病の原因になる場合がありますが、慢性化するとステロイド糖尿病と呼ばれます。

◇ 自己免疫性膵炎の診断と治療

膵臓がんとの違いが分かりにくいため、過去にはステロイド(糖質コルチコイド)の効果があるとIgG4関連疾患として自己免疫性膵炎との診断が行われていました。現在では診断のためにステロイドを用いることはなく、治療薬としてプレドニゾロンが使われています。

通常は血液中のγグロブリンや免疫グロブリンG・IgG4などが高値であれば、エコー(超音波検査)やCTスキャン画像検査と併せて、自己免疫性膵炎と確定診断が行われています。病名が判明すればステロイドによる治療を行い、血糖値上昇に注意しながらステロイド(プレドニゾロン)の長期投与を行います。

短期間に集中してステロイドによる治療を行うと、自己免疫性膵炎を再発する場合があるので急な断薬は危険です。逆に長期的に投与する場合は糖尿病に移行することがあるため、SGLT2阻害剤などを用いて余ったグルコースを再吸収させることなく、尿から流してしまうことで血糖値を下げるといったことを行います。

この阻害剤は最も新しい糖尿病治療薬で、副作用の全てが判明している訳ではありませんが、ある意味極端で合理的ともいえる薬です。糖尿病の患者にはSGLT2というグルコースの再利用を行う酵素が多いため、単にその作用を阻害して垂れ流すということで血糖値を正常にします。

◇ 自己免疫性膵炎の診断・治療のガイドライン

急性膵炎で起きやすい腹部痛の軽い症状があり、黄疸や体重減少が見られる(稀に起こるⅡ型自己免疫性膵炎では腹痛が強い)。閉塞性黄疸や背部痛、全身の倦怠感などが診察で判明する臨床症状ですが、黄疸が最も区別のつきやすい症状です。

その後の検査にて膵管狭窄があり、膵癌を除外できた場合は超音波検査、CT、MRIで膵臓や胆管の腫大があり、膵臓の全ての膵管に狭窄が見られること。血液検査ではγグロブリン、IgG、IgG4が高値であることが確認できれば、プレドニゾロンの投与による治療が行われます。治療薬としてのステロイドが有効であれば自己免疫性膵炎の確定診断になります。また、他の部分の合併症の有無を確認する必要があります。

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