抗インフルエンザ薬と異常行動の因果関係

byouin2

抗インフルエンザ薬として2種類の飲み薬と2種類の吸入薬、1種類の点滴薬を含めて5種類の薬があります。最近では耐性菌が増えたため、世界的に使用されなくなったタミフルですが、日本では相変わらず処方されています。タミフルの副作用として「異常行動」があることは一般に知られていますが、「原告が因果関係を証明できない限り、製薬会社や副作用の判定を行う厚労省に責任を負う義務はない」という判決が続々と出ています。

スポンサードリンク



◇ タミフルによる異常行動の判例と因果関係

最初の判例として、タミフルの副作用による異常行動で子供が死亡したが、副作用が認められなかった精神的苦痛に対して慰謝料の支払いを命じた判決がありました。それ以来は、タミフルだけを服用した後に異常行動を起こして死亡した場合に、「原告が因果関係を証明できない限り、製薬会社と国が損害賠償をする責任はない」という判決が相次ぎ、最高裁での法律解釈の余地はなく、上告棄却の結果、高裁の判決が確定しています。

最近の判決では、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PDMA)」を相手に訴訟を起こした例があり、副作用給付金の不支給の妥当性を名古屋地裁の判決を高裁が支持、最高裁が上告棄却したものです。PDMAとは医薬品による副作用があった場合に健康被害の救済を行うための法人であり、医薬品と副作用の因果関係が否定できない場合は、健康被害の救済を迅速に行うべきであり、本来は医薬品を使う側を救済するための機関です。

判決内容としては「原告が因果関係を証明できない限り給付金を支払わなくてよい」というもので、医薬品や医療機器の審査と安全対策、医薬品による被害救済を行うという理念はどうなっているのかと思ってしまう。被害者救済のための給付金は、医薬品製造販売業者が支払う副作用拠出金から支払われています。因果関係が証明されて副作用給付金の支給が決定すれば、製薬会社と販売元が追加して支払うというもので、PDMAが負担するわけではありません。

結論として、タミフルだけを服用した場合に異常行動の副作用は認められず、過去にシンメトレルを服用していた場合やタミフルと併用していた場合に、タミフルとの相加的作用として副作用被害が起きたと認められるようです。

タミフルの副作用の異常行動に関しては、結果的に因果関係が無いとされていますが、乳幼児の脳に溜まりやすいことが判明したため、1歳未満の乳児に処方することは厳禁となっています。異常行動はA型インフルエンザにより高熱が持続すると熱譫妄や熱性痙攣を起こすことが追跡調査で判明しています。主に10代の若者に多い症状があり、意識混濁を起こしたことにより、せん妄に似た症状を起こし、幻視や異常運動を起こします。

◇ なぜ日本ではタミフルを使うのか?

シンメトレルが多く使われた後に耐性を得たインフルエンザが増えてきたため、タミフルが登場により在庫がなくなるほどタミフルがもてはやされた時期もありました。異常行動による飛び降りなどはインパクトがあったため、タミフルに関連付けられたと思われますが、異常行動を起こした結果、犠牲になった人数は取るに足りないもので、タミフルの需要は次第に増えていきます。

耐性をほとんど気にしない日本人はその後もタミフルを使い続け、世界の消費量のうち、75%を超えるほど日本人の独占が続き、20%が米国、残りの5%がその他の国という状態でしたが、日本人は世界最大の消費大国であり、米国は世界最大のタミフル購入国です。ラムズフェルド国防長官はギリアド・サイエンシズの株を購入、株価を上げて資産を2500万ドルに増やし、その後はシュルツ国務長官がギリアド社の役員になり、700万ドルを売却というビジネスに使われたものがタミフルというわけです。

日本は国内の消費だけでなく、ASEAN(東南アジア諸国連合)に対して、タミフル30万人分供与などということを行い、アメリカのビジネスの逆を行っています。

◇ そして現在のタミフルの取り扱いは?

はっきり言ってタミフルを使う必要は全くありません。90%以上のインフルエンザウイルスが耐性を獲得している状態で使う意味はありません。しかし、タミフルの有効性を調べながら処方しているのが日本の現実です。

通常はキットを使用してインフルエンザの陽性反応が出ると、インフルエンザウイルスがタミフルに耐性を持っているかどうか、20分程度で耐性の有無を検査した結果、耐性がなければタミフルが処方されます。耐性があれば吸入薬のリレンザ、イナビルのどちらかを選択します。ラピアクタは点滴薬なので入院向けです。シンメトレルは異常行動の犯人にされ、タミフル以上に耐性を持っているので、ほとんど処方されません。

また、タミフルは予防に使えることは一般に知られています。通常はキットで検査をして陽性の場合に抗インフルエンザ薬が保険適応になります。陰性の場合は、家族がインフルエンザにかかっている場合などに限り薬を処方されます。2017年の10月頃から始まるインフルエンザの流行時期までにワクチンは十分作られていると思いますが、相当な数が余ると予想できます。

タミフルに代わる薬は、リレンザや1回の吸入だけで済むイナビルが主流になります。リレンザは予防用、イナビルは治療用がメインになるはずです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る