X線とガンマ線を使った放射線治療の危険性 | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

X線とガンマ線を使った放射線治療の危険性

byouin2

放射線治療では、X線を使う定位放射線治療と大量のガンマ線を照射するガンマナイフがあり、深部にエネルギーを与えるために浅い部分の被爆は避けられません。がん治療としてはリスクの多い放射線治療とは?

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放射線治療と粒子線治療(重粒子線治療)の違い

放射線治療には2種類のタイプがあり、従来のX線・ガンマ線を使用した定位放射線治療と、水素イオン・炭素イオンを使った粒子線治療が行われています。保険適応の定位放射線治療と全額自己負担の粒子線治療の医療の質の違いは大きく、定位放射線治療では20%の正常な細胞を傷つける場合があります。

X線やガンマ線を使う放射線治療では、X線による定位放射線治療、放射性元素コバルト60の崩壊エネルギー(ガンマ線)を使用したガンマナイフがあります。どちらも定位放射線治療ですが、一般にX線を使う場合を定位放射線治療と呼び、ガンマ線を使う治療をガンマナイフと呼ばれています。

それに対して、炭素イオンなどを使う重粒子線治療では正常な細胞を傷つけることなく、深部にあるがんや「放射線抵抗性がん」、周囲を低酸素の状態にして免疫系の働きを低下させる「低酸素がん」、「手術不可能な脳の深部」などに対して効果があります。

X腺とガンマ線は波のエネルギーなので、皮膚表面や浅い部分にエネルギーが集中して被爆しますが、粒子線は設定した深度で全てのエネルギーを放出して消失するため、がん細胞以外は被爆しないという事が最大のメリットです。

X線を使う定位放射線治療の特性とデメリット

X線を使う定位放射線治療は、比較的浅い部分にある聴神経や脳腫瘍、肺がんからの転移性脳腫瘍などの大きさが3cm未満の腫瘍の治療に適しています。

高エネルギーX線を使うと深部まで到達しますが、皮膚表面から2センチ前後にピーク(最もエネルギー放射量が大きい点)があり、患部の手前と越えた部分の正常な細胞が被爆します。正常な細胞が被爆するとDNAの修復遺伝子タンパクによって1日で修復されますが、がん細胞の遺伝子は修復されないため、次第に縮小します。

しかし、放射線のX線を繰り返し照射すると必ず被爆します。脳に照射した場合は脳腫瘍の再発を起こしやすく、新たに別の場所に脳腫瘍が出来ることもあります。

被ばくによるダメージを減らすために、定位放射線治療の際にX腺の線量を減らして複数回にわたって照射を行い、がん細胞のDNAにダメージを与えることが必要になります。高エネルギーで少ないX線を使い、複数の方向から照射すると交わった部分のエネルギーが高くなり、正常な細胞に与える副作用を少なく抑えられます。

ガンマ線を使うガンマナイフの特性と副作用

40年以上前から行われているガンマナイフは脳腫瘍や脳血管障害の治療に用いられて、X線とは異なり脳の深部に照準を合わせることができます。肺がんから転移した脳腫瘍にも効果があります。

普及型の新しいガンマナイフは頭部に局所麻酔の注射をした後に頭部を固定するフレームを取り付けます。その後に200か所のコバルト線源からガンマ線を患部に集中照射します。

スパイラルCTやMRIなどで腫瘍の位置が3D画像として把握できていれば、コバルト照射はオートマチックで行われるため放射線技師以外でも可能な治療になっています。この辺りにも医療ミスの原因が潜んでいるかもしれません。

よくある副作用では、吐き気、ふらつきなどの放射線酔いが出ます。重い副作用では脳浮腫によるけいれん、言語障害、四肢麻痺、意識障害が出る可能性があります。

脳浮腫は術後の検査でわかりますが、利尿剤の点滴に効果が見られなければ脳脊髄液が溜まり水頭症になるため、脳から腹腔に脳髄液を流すシャントを形成する手術が必要になります。

ガイドライン無視のガンマナイフ濫用

ガンマナイフの治療機器は安価で扱いが簡単なものが普及しています。2泊3日の入院中にガンマ線の照射を受ける時間は5分~15分程度という手軽さから、医師はガンマナイフによる治療を勧めるかもしれません。

医療機関にとっては最も利益率が大きい治療がガンマナイフなので、赤字経営の個人病院などは積極的に勧めてくることもありますが、治療成績よりも利益のためにガンマナイフを行っている医療機関が多いので、患者側が注意を払う必要があります。

ガンマナイフ使用のガイドラインでは腫瘍は3センチ未満とされています。しかし、それを超える大きさの場合、腫瘍の水分を抜いて3センチ未満にした上でガンマナイフを使う病院も増えています。

肺がんがステージⅣに進行した時点で、予防的にガンマ線を脳全体に照射(全能照射)すると効果が得られることもありますが、副作用のリスクが上回る可能性があり、脳転移の予防目的としたガンマナイフは現在では推奨されていません。これも同様にガイドラインを無視した治療が行われています。

定位放射線治療(X線治療)の医療費軽減の利点

ガンマナイフの治療費は保険点数50,000点(50万円)です。ガンマナイフの適応疾患は限られており、聴神経腫瘍、脳下垂体腫瘍等と脳血管障害など、頭部の腫瘍に限り保険適応です。

それ以外の疾患(三叉神経痛や脳転移の予防的照射など)では保険適応にならず、全額自己負担になり高額療養費の対象にもなりません。

それに対して、X線治療の保険点数は65,000点(65万円)とやや高価ですが、公的医療保険に加入していれば高額療養費などで上限の負担金額は所得に応じて決められています。

1カ月の支払い額は定額になりますが、高額療養費だけでなく医療費控除の対象になります。また、高額療養費制度の利用を治療前に申請(限度額適応認定証の申請)をすれば、一定額を超えた医療費は請求されません。

さいごに

X線やガンマ線の定位放射線治療は公的医療保険が使えるという意味で標準治療扱いになり、医師によって先進医療の選択肢を与えられない場合があります。治療後の副作用と再発を考えれば、ローン扱いになるとはいえ、粒子線治療が選択可能な場合はセカンドオピニオンをお勧めします。

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