高齢者に急増する帯状疱疹後神経痛とは

otosiyori

帯状疱疹は、「水痘」、「水ぼうそう」とも言われ、主に9歳までに水痘ウイルス(ヘルペスウイルス)に感染して皮膚に水膨れを作り、痂皮(かさぶた)になって治癒します。一度感染すると「終生免疫を獲得して再発しない」と言われていますが、近年では20代と40代以降に再感染を起こす者が多く、特に50代を過ぎると加齢とともに帯状疱疹の再発が急増します。

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加齢に伴い帯状疱疹が増える理由

かつて水痘ワクチンが任意接種であったため、未接種の子供が感染した場合は「水ぼうそう」と呼ばれる水疱ができていました。38℃前後の高熱を伴い1週間程度で治癒しますが、成人を過ぎて再発すると神経がチクチク痛む帯状疱疹が見られるようになり、治療が遅れると神経の痛みが後遺症となって残ります。

神経がチクチク痛む帯状疱疹後神経痛は特に中高年に増え始め、50才を過ぎると1年で1%ほどが再発を起こします。さらに加齢とともに帯状疱疹の発症者数が増加して、80才代では年間発病者数が30%を越えます。

子供の頃に水ぼうそうになるとワクチン接種以上に抗体ができるため「終生免疫」とも言われますが、免疫細胞がウイルスに対する抗体情報の記憶を失うと再感染を起こす可能性があります。

それに加えて、過労や不眠などが原因でストレスが増えると、神経根に潜んでいたヘルペスウイルスが繁殖を始めた結果、20代でも帯状疱疹の初期症状が現れます。

初期症状がはっきりしていないため、皮膚科の診察を受けた場合でも蕁麻疹や接触性皮膚炎と診断されることがあり、帯状疱疹を見逃された結果、後遺症として神経の痛みが残ります。

帯状疱疹の治療薬が効きにくい高齢者

水疱、帯状疱疹の原因ウイルスは、ヘルペスウイルスに属する水痘・帯状疱疹ウイルスであり、口唇ヘルペスで有名な単純ヘルペスウイルスの場合は治療薬アシクロビルに効果があり、発症後数日以内に服用を開始すれば1週間程度で治癒します。

しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスの治療薬、ファムシクロビルやパラシクロビルなどの抗ウイルス剤を高齢者に投与した場合、腎臓の処理能力低下が原因で抗ウイルス剤の排泄が上手くいかず、腎臓の糸球体で詰まると腎不全を招きかねないために少量投与が行われています。

通常、服用後36時間でウイルスの増殖が止まるので、薬の飲み始めは症状の悪化が見られます。その後1週間の抗ウイルス剤の服用で治癒に至りますが、帯状疱疹の発病から治療開始までに時間が経過していたり、治癒までに時間がかかった場合は後遺症が残りやすくなります。

高齢者の帯状疱疹の後遺症とは

高齢者は単に免疫力の低下が原因で再発を起こし、ごく軽度の水疱(水膨れ)や神経の痛みがなければ帯状疱疹の自覚がない場合が多く、治療が遅れると神経の痛みが持続する後遺症を残しやすくなります。

高齢者に多い帯状疱疹後神経痛とは、神経根に潜んでいたウイルスが増殖した影響による神経の炎症と痛みです。帯状疱疹の症状がひどいほど痛みの程度もひどくなり、治療が遅れるほど神経にダメージを受けているため数年から長くて10年ほどの間、激痛が残ります。

水痘・帯状疱疹ウイルスによる後遺症には、三叉神経に影響を及ぼした後に顔面神経麻痺の症状が出るラムゼイ・ハント症候群があり、口の歪みを初めとする顔のゆがみと麻痺が続くことがあります。

帯状疱疹後神経痛の後遺症を残さないために

ほとんどのケースが片側にできる皮疹や丘疹(ふくらみのある皮疹)と軽い神経の痛みなので、痛みを感じないとしても片側に丘疹が出来た時点で何らかの対処が必要になります。

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると初回の感染症状では水痘と高熱で済みますが、20代、または40過ぎの中高年で再発した場合は帯状疱疹を発症します。

水痘・帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスに属する亜種であるため、初回の症状では水疱が出来ますが、再発の場合は片側性の丘疹が典型的な症状で、他の症状としてはかゆみだけであったり、チクチクした神経の痛みを伴ったり、はっきりとした自覚症状がないケースも多くなっています。

しかし、後遺症として長期間にわたる神経疼痛の苦痛を考えるとワクチン接種が最も有効な手段です。家族に発病者がいれば、そのたびに抗体ができるため感染を起こしにくくなりますが、加齢による免疫力の低下は50代から80代までは顕著になり、発病者も急増します。

特に働き盛りの中高年に多いストレス性疾患の一つと考えて、早期の予防策を取る必要があります。

ワクチン接種と帯状疱疹の関係

水痘ワクチンは任意接種が続いていましたが、2014年10月から定期接種扱いになり1才を過ぎると2回に分けて乾燥弱毒性水痘ワクチンを全ての幼児に接種しています。

その後は小児の水ぼうそうが減少したために自然流行が起こらなくなり、それが原因で抗体を作る機会が減り40才を越えた中高年の再感染が二次曲線的に増加を見せています。

50才以上を対象とした水痘ワクチン接種によって、帯状疱疹の発症頻度が50%に減少することが確認できたため、免疫抑制剤を使用していない者は任意接種を受けられます(20代も自費でワクチン接種が可能)。

例外として、関節リウマチや慢性腎臓病、リンパ腫など帯状疱疹のリスクが高い者に対してワクチン接種は行われません。

さいごに

20代、または40才を過ぎて再感染をすると水疱と高熱では済みません。いつまでも痛みが残る帯状疱疹を防止するためにも水痘ワクチン接種が必要です。自己負担5千円~9千円の自費で済みますが、接種前の免疫チェックもお忘れなく。

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