くるぶし・ひじ・ひざが腫れる滑液包炎 | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

くるぶし・ひじ・ひざが腫れる滑液包炎

hiza

正座やあぐらの姿勢を続けた場合や、肘をついたままの状態が続いた時など、硬い床や机と常に接している部分があれば、その部分に水が溜まったように大きく膨らむことがあります。同じ姿勢を続けるとよくある症状ですが、この膨らみの原因とは?

スポンサードリンク



関節周辺がこぶのように膨らむ滑液包炎とは

ほとんどの場合、長期間にわたって繰り返し関節を圧迫したり摩擦などの刺激を与えた結果、滑液包(関節包)に滑液(関節液)が溜まります。圧迫を受けた部分の皮膚は厚くなり、こぶのような膨らみに触ると弾力性があり大きな水膨れのようになります。

膨らみに触れても痛みを感じない場合が多く、対処に迷いやすいのですが、腫れがひどくなるとちくちくした神経の痛みを伴うこともあり、感染による化膿や炎症が起きていることもあります。

また、スポーツなどで関節の周辺にショックを受けたり外傷の際にも起こり、外傷や打撲のあとの突然の腫れは痛みを伴います。

野球選手に起こりやすい踵下の滑液包炎や、サッカー選手に多いひざの滑液包炎などがよくある症状です。プロ野球選手では痛みを我慢するか、手術に踏み切るか迷いますが、シーズンの終わりに手術を受けるというケースが多いようです。

滑液の必要性、滑液包炎の原因

関節の接合部分には関節軟骨があり、その周囲は関節包で覆われています。関節包の内側は滑膜でできており、関節軟骨の動きを良くするための滑液(関節液)で満たされています。

「膝に水が溜まった」という表現をよく聞きますが、水でもリンパ液でもなく、滑液が一時的に増えた状態です。足の負担が大きい妊婦や筋力が低下した高齢者は、特に膝の半月板の下部が膨れやすくなります。

滑液は関節の潤滑剤のようなものです。滑液包の中に留まっている状態で流動性がありません。流動性がないのでそこに尿酸が溜まると結晶化しやすく、痛風の原因になりやすい部分です。

皮膚が薄い関節部分が摩擦されることによって潤滑剤の滑液の分泌が増えるため、関節の周囲が異常に膨らんで視覚的にもわかりやすい症状です。

痛みのない滑液包炎の治療は不要?

滑液(関節液)は関節軟骨の潤滑だけでなく、血管が通っている滑膜から血管が少ない関節部分の軟骨に栄養や酸素を与え、老廃物の排出など軟骨の代謝に必要な役割を持つため、圧迫を減らすことを目的として安易に抜いてしまうとその機能を失います。

正座やあぐらを長時間続けた場合など、摩擦によって生じた滑液の膨らみであれば、関節の痛みや炎症、細菌感染が起きるのは稀です。日常生活を送る上でその姿勢を避けることが可能であれば、特に処置を行う必要はありません。

明らかに痛みや炎症が無い場合は、患部の圧迫や刺激を避けて自然に滑膜に吸収されるまで待つのが無難です。患部を圧迫する形でテーピングをすると1週間程度で膨らみが縮小します。同じような刺激を受けると再発しやすいので、足首用のサポーターなどを使用して関節の圧迫を和らげる防止策が必要になります。

滑液包炎の治療が必要な場合とは?

皮膚が広範囲に赤く腫れていたり、触ると熱感がある、痛みがある、出血がある、関節が接触していなかった場合などは、整形外科で診察・検査を受ける必要があります。

指で押さえた時や関節を動かした時に痛みがあると、滑液包炎が慢性化して関節の動きが悪くなり筋力の低下が起きるため、CTやMRIなどの画像検査やエコー検査、血液検査ではCRPで炎症反応の検査を行った結果、処置・手術が必要になることがあります。

スポーツ選手に起こりやすい関節の酷使や衝撃が原因の場合、足の関節に滑液包炎が起こると衝撃を受ける度に痛みが走ります。アキレス腱にも滑液包があるので、しゃがむたびに痛みがあるという症状があれば、処置や手術を検討する時期かもしれません。

滑液包炎の治療、関節鏡手術で完治が望める?

検査を受けた結果、軽度の滑液包炎と診断された場合は、症状に合わせて非ステロイド性消炎鎮痛剤が処方されます。痛みが軽減されれば出来るだけ関節を動かすようにします。

単に関節が膨らんでいるからというだけで滑液を抜いてしまうと、一時的に縮小するだけで再発を繰り返します。ヒアルロン酸やステロイド、痛みに合わせて局所麻酔薬を滑液包内に注射しても治らない場合は滑液包の切除手術になり、滑液包が再生するまで関節が使えなくなります。

関節鏡による内視鏡手術は出血を最低限に抑えて手術時間も短く、治癒までの期間は短くなりますが、炎症や感染が起きている滑液包を完全に取り切ることができないため、消炎鎮痛剤が効きにくく再発率が高くなります。

根本的な治療方法の滑液包摘出手術

若者を含めた一般人が整形外科を受診する場合は、足首の関節の炎症や痛みが慢性になり生活に支障が出る場合に限り、滑液包摘出手術が行われることが稀にあります。

しかし、「何年も続く痛みを取ってほしい」と訴え続けても、関節の疾患を併発していると考えられる場合などはそちらの治療が行われて、手術に踏み切る医師はほんの一部と思われます。

特に高齢者は多くの関節症の合併が考えられるため、手術は先の話になる傾向にあるようです。とりあえず、手術を行ってくれる医療機関を探すことが先決です。

唯一、プロのスポーツ選手の場合は、滑膜の切除を行ったのち安静を保ち、専属のトレーナーがついていれば2~3週間で現役復帰を果たしています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る