肝硬変の症状と便の色の変化、アルコールの影響

tounyou

様々な原因によって生じた慢性肝障害が、治癒しないまま進行していくことにより、肝細胞が減少して線維化されて、組織が硬くなるため本来の肝機能を失ってしまいます。可逆的な肝炎(治療によって治る)に対して、脂肪肝が悪化して起きた肝硬変は非可逆的(肝組織の壊死)であり、肝生検を行うと線維化した肝細胞がみられるため、新たに肝細胞を作ることは不可能になっている状態です。

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ー肝炎から脂肪肝へー

原因としてはアルコール依存やウィルス性肝炎が主なものですが、先進国ではC型肝炎が影響されているのに対して、アジアではB型肝炎が増えています。肝臓をダメージから守るために脂肪を溜め込んだ脂肪肝の代謝障害が肝硬変になることもあります。肝機能を失うと胆汁分泌障害を起こしたり、薬物の代謝や毒性のあるものを分解することができなくなります。

脂肪肝と診断された時点で肝硬変の進行初期の可能性があるため、食生活の改善により初期の肝硬変は進行を抑えることができます。カロリー制限や禁酒に加えて適度な運動も必要ですが、生活習慣が変わらない限り重度の肝硬変へと移行します。脂肪肝の時点で腎臓に負担がかかることになり、腎不全を初めとする腎臓病にかかることになります。

ー肝硬変の症状悪化により末期症状へとー

肝硬変の症状として、3分の1は無症状ですが、脂溶性のビタミン不足により栄養失調や全身の倦怠感、脱力感、疲労、胆汁分泌障害による食欲不振、体重減少などがあります。重度の肝不全からは重篤な自覚症状が出てきます。

肝機能が止まることにより老廃物の分解機能を失い、毒物の代謝もされません。そして血液凝固因子の低下が起きると、アルブミンの産生が行われなくなるため、血液中の水分調整ができなくなり血行が悪化します。

胆汁の分泌が止まると便が脂っこくなり、胆汁の色でもある緑黄色がなくなるため便は灰色になります。胆汁酸塩の合成も行われなくなり脂質の吸収や脂溶性ビタミンA・E・Dなどの吸収が出来なくなります。その影響で脱力感が起きて、食欲が減退します。ビタミン不足により、栄養失調から体重減少も起こります。皮膚や目は黄色くなります。

ーアルコール性肝疾患ー

アルコールの摂取を継続することにより、アルコール性肝炎が起きて結果的に肝硬変に至ることになります。

アルコールのほとんどは酸化することで代謝されます。アルコール分解酵素が関わってアセトアルデヒドになり、その後はアルコール脱水素酵素で酢酸塩が生成されます。結果的にアルコール摂取は肝臓の代謝を異常に増やして負担をかけることになり、脂肪酸の酸化による排出を低下させるだけでなく、中性脂肪を蓄積させます。

そして脂肪肝だけでなく、脂質異常症を引き起こすことになり、その結果、腎機能障害が起きて高尿酸血症から痛風を起こします。さらに脂質異常症から脂溶性ビタミンの吸収が行われなくなり、腎障害を悪化させることになります。アルコール性肝炎に影響を及ぼすものとして酢酸に代謝されないアセトアルデヒドが炎症を引き起こして、白血球やマクロファージが集まることで炎症が悪化します。

アルコールを摂取している限り進行が止まらないのは当然ですが、アルコール依存症の場合にこの症状が多く、治療を行っても無駄になる場合が多くなっています。肝硬変に進行するまでの経過は他の患者と同じですが、患者の自制心の無さによって治療が無駄になり、肝硬変の末期へと進み劇症肝炎へと移行した結果、死に至ります。

現実的には、生体肝移植しか生きる道は残されていませんが、アルコール依存症の場合は、移植を行っても再びアルコール性肝炎になる確率が高いことから、禁酒を半年間続けられない場合は移植も拒否されます。

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