
アトピー性皮膚炎の原因として、皮膚が角質化することによって剥がれていくことに加えて、過剰な免疫反応などの体質により感染しやすくなりますが、原因となる外的刺激としてハウスダストや汗、紫外線、皮膚を引っ掻くなどの物理的な刺激がきっかけとなって皮膚炎を起こします。治りかけたり悪化したり繰り返すことが多いのが特徴です。その対策として保湿が最も効果的で簡単なものです。 スポンサードリンク
ー皮膚の常在菌によるバリア機能ー
全身の皮膚のどこにでも起こる可能性があり、悪化と治癒を繰り返して慢性化します。特にアトピー性皮膚炎の場合は乾燥した皮膚に起こる炎症で、外的要因によるものが原因になります。そして、皮膚の常在菌の拮抗状態が崩れたときに炎症を伴った痒みや痛みが出てきます。
皮膚のバリア機能と表現されることがありますが、皮膚の常在菌の悪玉菌と善玉菌のバランスが取れている拮抗状態では他の細菌による感染を防いでいます。
そのため表皮の細菌バランスの崩れが原因になりますが、遺伝的素因も影響するといわれ、また、他にも環境が要因になるという説もあり、アトピー性皮膚炎に起因するものは複雑多岐にわたるようです。発症原因として様々な要因があるこのような疾患も珍しく、要因は多く考えられているにも関わらず特定できないというジレンマも抱えている特殊な皮膚炎です。
ー皮膚の保湿で再発防止ー
基本的に皮膚が乾燥すると細菌の拮抗状態が崩れることになるので、それを予防することで再発を防ぐことになります。そのため保湿が必要になり、クラスタの小さい水がアトピー性皮膚炎の再発防止に有効とされています。クラスタとは水分子が集まったもので、そのサイズに応じた特性を持ったものです。古くからアトピーに有効とされてきましたが、最近では商品化されたものを見かけないのでその辺りは不明です。
皮膚角質間の脂質の減少も影響しているため、摂取する脂肪酸(植物油・食用油)を変えることによって治る場合もあります。例えば、n-6系脂肪酸でもあるリノール酸を使っている場合は、他の脂肪酸(オレイン酸の多いオリーブオイルなど)に変えるとアトピー性皮膚炎が改善します。皮膚に刺激の少ない脂質を使うことで、水分の蒸発を防いで保湿の役割を果たすことにもなります。
細胞膜のセラミドが減少することで皮膚の保湿力が低下します。これを増やす手段があれば問題解決かと思いますが、コレステロールの代謝によるプロビタミンD3の生成という内分泌系の面倒な問題でもあるので困難です。などと考えていたら市販の塗り薬の成分として含まれているので、保湿だけに留めるのが無難です。
ーアトピーの諸症状の緩和ー
6か月以上の継続的なかゆみと湿疹は慢性と言われますが、何度も繰り返すというだけで症状が変わるわけでもありません。アトピーのポリペプチド抗生物質としてシクロスポリンがあります。
かゆみや皮膚症状の重症化に伴ってステロイドを使い過ぎると、皮膚の状態は悪化する一方です。歳を取ると自然治癒することがあるので、対症療法としてかゆみなどの症状を抑える抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服に留めておきましょう。

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