
川崎病とは、乳幼児に多くみられる全身の中サイズの血管の炎症による症候群のことです。特に1歳児に感染者が多くなっており、最初は風邪と同じような症状があり、発熱、咳、鼻水などの症状があり、高熱が5日以上続いたり口や舌・目・手足が赤くなるなど、独特の症状が出てきます。発見した小児科医の人物名が病名になっているため、川崎市の公害病とは関係ありません。川崎医師が名付けた「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ線症候群」というのが正式な病名ですが、国際的には川崎病(kawasaki Disease)という呼称が一般的になっています。 スポンサードリンク
ー川崎病の原因と症状ー
原因の全てが明らかになっているわけではありませんが、自己免疫性疾患であるために血管や皮膚を含めて全身に症状が出るのが特徴です。他に口腔内、目、手足が赤くなり、その他にも全体的に赤い斑点が出ることがあります。
初期症状として中型の動脈に炎症を起こし、約2割の発病者の冠動脈に炎症が及び、冠動脈に動脈瘤ができたり心筋梗塞になる乳幼児もいます。男女比としては男が女よりも1.4倍ほど多くなっています。最も危険な症状としての心筋梗塞は急性期に9.3%で、毎年その率は下がっています。
手足の血管にも動脈瘤が出来ることが
スペイン・アメリカ・日本の研究機関が明らかにしたところによると、原因となる細菌は中国から飛んでくる菌類でもある「カンジダ」が原因ではないかという指摘がされています。人口比では、2011年から史上最高の患者数を毎年更新しているのも気になります。
ー風邪の症状と区別するためにー
風邪と区別して、川崎病として早期治療を行うためにも症状の観察は欠かせません。
その症状としては、結膜炎、粘膜の炎症、リンパ節の腫脹、発疹、高熱の持続などがあります。風邪と区別する目安として、発熱から数日以内に結膜の充血が見られます。炎症を起こしている場所の粘膜の色が一般的な炎症と異なるため見分けはつきやすくなっています。
風邪と区別する目安として下記の症状があります。
「38度~40度の高熱が5日程度持続する。」「全身に赤い発疹がみられる。」「両目の充血がある」「唇の変色、荒れ、出血、舌の色が赤くなる。」「手足の浮腫や腫れなど。」「首のリンパ節の腫脹がある。」
などの症状があれば、川崎病を疑って病院に連れていきましょう。
ー投薬治療・手術が必要な場合などー
入院による治療が行われます。急性期の治療としてガンマグロブリンの投与で炎症を抑え、アスピリンなどの抗凝血剤が使われます。発熱や炎症反応が治まらない時はガンマグロブリンが追加投与されます。他にもステロイドやウリナスタチン投与があります。
冠動脈瘤が出来たときは、発症から数週間で症状はピークになり次第に治まっていきます。稀に後遺症として冠状動脈が原因となる心筋梗塞を起こすことがありますが、入院治療を受けている限り悪化する心配はいりません。
もし悪化した最悪の場合は手術になります。1967年に発見されて以来、治療法が確立されているためにそれほど心配する必要はないのですが、心臓に負担のある手術が行われることになるので、リスクが無いわけではありません。
治療費に関しては「小児慢性特定疾患医療給付」という制度があり、自治体によって補助が異なりますので、市役所などに確認しておく必要があります。

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