大人のどもり(吃音症)の原因と治し方

arutu

吃音症(きつおんしょう)とは同じ言葉が連続するなどの一般的に知られている症状であり、言語障害のように見えますが、発達障害(LD)の一部の症状です。吃音症は癖ではなく、厚生労働省は疾病として認めているため健康保険の適応症になっています。成人の発症率は子供に比べると約1%程度と低くなっています。子供の吃音は成人すると軽減されることもありますが、成人で発症した場合や、成人まで症状が続いている場合は治癒することが稀になっているのが現状です。

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ー吃音症の原因ー

健康な人の精神的な緊張だけが原因ではなく、基礎疾患が原因にある吃音症という病気です。ドーパミンのレベル上昇とセロトニンのレベル低下からうつ病や不安神経症を引き起こすことにより発症または悪化します。また、遺伝的要因の上に生活環境の影響から、不安やストレス・緊張を感じることにより吃音症が引き起こされることもあります。男女比では男性の方が3倍の頻度で発生します。

脳代謝の検査(PET)の結果、右脳が必要以上に活発化しているにもかかわらず、言語に係わる運動野の代謝のアンバランスが原因であり、単なる言語障害とは異なる代謝異常が見られます。てんかんが関係している吃音もあると言われていますが、未だに不明な部分が多いとされている吃音症であり、対症療法としてセロトニンの濃度低下に関して投薬治療が行われています。

以上の要因によって引き起こされる疾患が吃音症であって、基礎疾患の症状の一部ということになります。12番染色体に吃音症を発症させる遺伝子があるという発見があるため、遺伝的要素も示唆されています。ただ、22,000の遺伝子のうち、12番染色体の中で明らかになっている遺伝子タンパクの働きは未だに3つの遺伝子なので、吃音症の遺伝子が存在するのかどうか怪しさはあります。いずれにしても脳の代謝異常があることは間違いないので、先天的な脳の代謝異常が続く限り吃音症の全てが改善されるわけではありません。

ー吃音症の治療や矯正方法ー

右脳の過度な活発化という基礎疾患があった上で、何らかのきっかけで吃音症が発症します。なので、基礎疾患を治すことは不可能に近いため、現在の医療では吃音の一部しか治すことはできません。SNRIやSSRIによってセロトニン濃度を増やすとある程度の症状は軽くなります。発症のきっかけは、時として成人した後に心理的圧迫によるものもあるため、自覚があれば自ら原因を排除していく方向で矯正していくことは可能です。

吃音の症状が出始めると意識して悪化を防ごうとするため、意識が強くなり逆に悪化します。話すことをやめるのが不自然や不適切な場では、関係のない言葉をはさんでみたり、回りくどい話し方をする、あー、とか、えー、などを混ぜながら発語に余裕を持たせることで切り抜けることもできます。吃音がひどい時とそうでない時の波があるのは一般的で、それを自分で把握しておくのも対策になります。

ディストラクション効果というものを使った矯正方法もあります。数か月から半年間の一時的な効果で終わってしまうことになりますが、基本的な脳疾患が治るわけでもないので、過度な期待はしない方がいいでしょう。成人になると治すことはかなりの困難さがあり、吃音が治ったと思っていても何度も繰り返します。

認知行動療法が最も一般的な治療法ですが、根本的な治療がされるわけでもありません。「妥協点を下げて楽になる」というのが認知療法なので、ある程度の諦めも必要だということでしょう。治療法はありませんが、矯正は可能というレベルです。

「吃音対策にドーパミンを増やそう!」という対処法は間違いなので、余計なことはしない方がいいでしょう。

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