
冷え性とは主に四肢の末梢血管の縮小が原因で、末梢血管の抵抗性が高いと手のひらや足の裏の血流が悪くなって部分的に体温が下がります。手のひらや足の先が温かい場合は四肢も温かく、冷え性にはなりません。自律神経のバランスが原因で末梢血管の拡張が行われない場合や、血管内の局所的な一酸化窒素不足によって血行不良が起こります。その他、低血圧や血液の質が影響することもあります。 スポンサードリンク
ー血管が原因の冷え性ー
低血圧による冷え性の場合は局所的で、全体的に低血圧の人の体温が低く高血圧の人の体温が高いとは限りません。全体的な体温は個人差があっても0.5℃~1℃くらいのものです。
血管は大別すると3種類あります。動脈と静脈と、もう一つが・・・門脈ではなくて毛細血管です。毛細血管で細胞間の酸素や炭酸ガスなどのガス交換を主に行っています。恒温動物でもあるヒトは、風邪などで発熱したときには毛細血管を拡張させて熱を外部に放出しますが、逆に寒い時は筋肉の震えによって体内で発熱させながら、毛細血管を収縮させて熱を外に逃がさないというメカニズムがあります。
四肢の先にある毛細血管は末梢血管とも言われますが、何らかの原因で末梢血管を血液が通過しにくい場合は「末梢血管型冷え性」と言います。一酸化窒素不足により血管が柔軟性を失うと拡張しにくい状態になるため、部分的に体温が下がります。筋肉が弱っていると血管の周りの平滑筋に影響するため、血行が悪くなります。
同じ姿勢を続けると、血行が悪くなってしびれと共に冷たさを感じますが、それが、末梢血管型冷え性に似た状態です。また、血管を圧迫した状態が続いた場合に、しびれと冷たさを感じるのは血行不良ですが、筋力不足による血行不良と同じ状態になります。
他にも、甲状腺機能の低下による代謝低下など原因は考えられますが、その場合は甲状腺ホルモンの補充で対応するしか方法はないですが、冷え性の直接の原因としては主に血管の状態や血液の質、血流となっています。
ー冷え性の改善方法ー
末梢血管を拡張させることによって発熱を促すと同時に、末梢血管の抵抗がなくなることで全体的な血行促進につながります。手が届く範囲であればマッサージを行ったり、手首や足首の運動で血行改善を続けることで体全体が温まることになり、冷え性が改善します。
運動が出来ないという人は、靴下を2枚履いたり、ふくらはぎまでの長い靴下を履いてみることや、ヒートテックなどの汗で発熱するような素材を使った靴下などを使ってみるのも効果的でしょう。
末梢血管型の冷え性の場合は自律神経が影響している場合もあります。その場合は温浴効果を期待して、入浴剤を使った半身浴で汗を流すという方法もあります。これを続けることで次第に冷え性の体質も改善されていきます。
上記のものと併用して食事療法を行うと効果的です。体が温まる成分(カプサイシンなど)を含んだものや代謝を促進する成分(L-カルニチンなどの代謝関連アミノ酸)を定期的に摂ることや、血管の柔軟性を改善するためにシトルリンなどのサプリを摂取することにもある程度の根拠はあります。

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