
ストレスや肉体疲労、ウィルス感染、循環障害が疑われるものの、依然として原因が不明である突発性難聴ですが、突然難聴になり耳鳴りが伴うことがあります。同時にめまいがあると予後が悪くなるため、できるだけ早く治療を受ける必要があります。めまいと同時に吐き気を伴う場合もあります。早めの処置としてステロイドや循環改善剤、ビタミンB12などの投与によって約30%が完治して、約30%は症状が軽減されます。難聴が始まって数週間経過すると改善されない場合があります。 スポンサードリンク
ーメニエール病との相違点ー
メニエール病と症状が似ているので、「メニエールなら放置しても問題ないだろうけど、突発性難聴なら仕事を休んで早めに耳鼻科に行って1~2週間は入院しないと治らないな」と考えるのが一般的な知識のある人です。しかし、耳鼻科に行く前に判断できないものかと悩みます。
耳鼻科で検査を受けると判別できるのですが、確定するまで検査を行わない場合もあるため、「メニエールの診断だったけれど、実は突発性難聴だった」となると悲惨です。その逆なら安心できます。誤診も多いようなので、自覚症状も参考程度に覚えておくのが無難です。
明らかに異なる点としては、突発性難聴は難聴が起きた瞬間の状態をはっきり記憶していることです。メニエール病は回転性めまいが原因で歩くことも難しいので、難聴が起きた時など気にしていません。
※難聴が軽症の場合は気付かないこともあります。
「共通点」:めまいがある・耳鳴りがある・耳の閉塞感がある・難聴が片耳に生じる・ストレスや疲労が誘因・感音性難聴がある。
「メニエール病」:回転性めまいを何度も繰り返す・低音域が聞こえにくい・内リンパ水腫があるため利尿剤で軽減される・時間が経過すると自然治癒する。
「突発性難聴」:突発的で瞬間的に発病する・めまいは一過性で再発しない・難聴の程度がほとんど変化しない・難聴が徐々に悪化することがない・高音域の耳鳴りがある。
ー突発性難聴の治療ー
血管拡張剤や血流改善剤、脳代謝改善剤、ワルファリンなどの抗血液凝固剤、ビタミンB12による神経再生、内耳にステロイドの注射、二酸化炭素の吸入で血管を拡張させる、高圧酸素療法、第7頸椎への神経ブロック、ステロイドの全身投与などが従来の治療法ですが、難治性の場合は約半数しか改善されません。
片方の耳が難聴になると正常な方の耳だけを使うようになり、難聴がある方の耳は使わないため脳の機能まで低下して更に難聴が悪化します。そのため正常な方に耳栓をして難聴になった方の耳だけを使うことで、脳と共に耳の回復を図る事ができます。
難治性の場合の新しい治療法としては、内耳にインスリン様細胞増殖因子をゲル状にして注入、徐放させることで安全性の確保と高い有効性が確認できたという臨床治験段階の治療法があり、保険診療も遠くないというニュースリリース的情報もあります。

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