エコノミークラス症候群の静脈血栓塞栓症とは?

sinryou

主にエコノミークラスで窮屈な姿勢を続けると、足に血栓が出来て肺に飛ぶと肺血管の梗塞が起きます。特に飛行機の場合は、高度が上がると湿度が低くなり(20%程度)、機内の設定温度が高い(22~26℃)ので水分が蒸発しやすい状態です。機内は0.7~0.8気圧と低いため機内の酸素分圧が低下します。窓際は特に水分補給が簡単にできない状態です。着陸すると足がしびれていても立たなければいけない。手荷物を下す時に足を伸ばすので血栓が移動しやすい。という健康な人にも悪い条件が揃っています。

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ー血栓ができて、塞栓を起こすまでー

エコノミークラスに限らずビジネスクラスでも起きることから、ロングフライト症候群と言われることもあります。他の乗り物でも同じ姿勢による悪影響を受けますが、特に機内の湿度の低さと温度の高さによって脱水状態に陥ることが多く、機内の気圧が低くなると、より体内から蒸発しやすい状態になります。10時間のフライトで1リットル程度の汗をかくので、水分補給は欠かせなくなります。

機内で足が伸ばせないような窮屈な姿勢を長時間続けると、足首から先の末梢血管の流れが悪くなり痺れた状態になります。末梢血管の流れが悪くなることを末梢血管の抵抗性と言いますが、血流の一部に抵抗があると心臓は血圧を上げて血流を改善しようとします。

静脈血は足の筋肉で収縮・拡張を行っているため、足の筋肉を使わないことで悪循環に陥ります。血栓ができやすい体質も影響して、立ち上がって歩いた時に血栓が最初に肺に到達することになり、着陸時に肺動脈に塞栓が起きて呼吸困難を起こすというものです。

ー血栓ができると?-

足の筋肉によって心臓まで静脈血を上げることが出来なくなると、足の静脈が鬱血して血流が停滞するために深部静脈血栓ができます。静脈の流れの悪さから出来た血栓が肺の血管を閉塞すると肺塞栓を起こします。この肺血栓塞栓症では血栓の大きさによって症状は異なり、最悪の場合は死に至ることもあります。

軽度の場合は呼吸困難についで発熱が起こります。できるだけ早い治療を受ける必要があるので、空港で救急車に待機してもらうのが得策です。といっても、呼吸困難があれば頼まなくても待機しています。

大腿静脈などの深部静脈に血栓ができると、深部静脈血栓症といわれて、肺血栓塞栓症では最も多い原因になります。

ー血栓の予防と対策ー

急性肺塞栓症に保険適応のクリアクター(般:モンテプラーゼ)などの血栓溶解剤を航空会社が準備していれば助かるのですが、注射は医師法違反になるので誰も使えません。血栓予防として搭乗前にアスピリンを200mgほど飲んでいれば高確率で血栓を防ぐことが出来ます。

機内では足の裏を刺激することが最も確実な血栓予防で、足首をまわしたり太ももをマッサージすることも効果的です。足を組むと血行が止まることもあります。足がしびれる体勢は避けましょう。

中性脂肪値が高く肥満気味、糖尿病の持病がある、喫煙する習慣がある、などの生活習慣病の自覚がある人は血栓ができやすくなります。エピネフリンの筋肉注射が可能なエピペンという針の短い注射器がありますので、心配な人は強力な血栓予防のワーファリン(ワルファリン)の錠剤とエピペンを処方してもらって持ち歩きましょう。エピペンは即効性があり、自己注射が可能なもので一時的に血管を拡張させることによって塞栓が消えます。

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