高圧酸素療治療で治る症例、効果と危険性について

sinndann

高圧酸素療法(HBO)とは、100%酸素を2気圧以上に加圧して、約10倍から20倍の酸素を強制的に体内に取り込ませることで、末梢血管などの循環障害から各臓器や皮膚などの低酸素状態を改善します。酸素不足に陥っている臓器の機能回復を図ることによって、その臓器が持つ自然治癒力を促進させる。または治癒までの時間を短縮させる、脳梗塞などの後遺症の軽減などの目的で使用されています。

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ー末梢血管の血流改善のためにー

全身を高圧酸素の中に置くことで、肺呼吸とは関係なく強制的に血管内に酸素が送り込まれるため、ヘモグロビンに結合することなく血液内に酸素が取り込まれます。通常は血液中にガスとして溶け込む溶解型酸素が含まれていますが、圧力をかけることで血液中に溶けることができる酸素量が増えます。それによって血行が改善されるため、特に急性・慢性の末梢血管障害に効果的です。

末梢血管の血管拡張による血行不良や、肺や心疾患がある場合に肺静脈血栓塞栓症を併発すると、危険な状態に陥ります。他にも、肺塞栓症の手術後・怪我・骨折などの入院中に塞栓が出来ることがあるので、急性の循環障害を含めて、血栓の治療が遅れて後遺症が出た場合や、脳梗塞の後遺症を含めた脳血管障害など、治療の効果が得られなかった場合などに高圧酸素療法が行われることがあります。

ーその他、酸素欠乏を招く疾患に対してー

他には、急性の一酸化炭素中毒や、壊死性筋膜炎、火傷による末梢血管障害、心筋梗塞、開頭手術後の浮腫の治療などにも用いられます。一酸化炭素中毒の場合、ヘモグロビンに一酸化炭素が結合するため、結合型酸素よりも溶血型酸素として血液中に酸素を送り込むことで、脳や各臓器の酸素不足を防いで被害を最小限に留めることが出来ます。

脳腫瘍の手術後では、再発防止を目的とした降圧酸素療法を行う場合もあり、脳腫瘍の化学治療や放射線治療と併用して高圧酸素療法を用いるのが一般的になっています。脳腫瘍に限らず、抗ガン治療や放射線療法を行っている場合も併用します。熱傷や凍傷の場合も、皮膚呼吸が出来なくなることで酸素飽和度が下がるため、組織のダメージを減らす目的で使われます。

ー副作用というか危険性ー

・過去に、内耳腔の陰圧による内耳の損傷がありましたが、最初の加圧の段階で耳抜きを行っていれば、ほとんどの場合問題ありません。なので、副鼻腔炎や耳管に何らかの問題があれば耳抜きが危険な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。喘息や肺疾患も同様です。体調不良や高血圧・ペースメーカーの有無なども事前に伝えておく必要がありますが、問診票で医療側が確認してくれます。

・最初の15分の加圧時の耳抜きが終われば、あとは横になっているだけです。加圧時と減圧時に気温が下がりますが、毛布が準備されているので問題ない程度です。

・高圧酸素による治療を受ける場合は、100%酸素による影響を受けるものは持ち込み禁止になっています。事前にボディーチェックを受けるので心配の必要はありません。

酸素中毒の症状は中枢神経に影響を及ぼし、痙攣が起きることもあり、呼吸困難・目などにも影響が出ます。100%酸素を長時間吸うと意識障害や痙攣が起きやすくなります。圧力が上がるほど危険性は増しますが、高圧酸素療法の場合は技師が常にモニターを行っています。時間的には90分が限度なので中毒を起こすこともありません。

国内では過去に最低7件の事故がありました。2.0気圧で火災、2.7気圧で爆発するようです。国内最後の爆発事故は1996年の「カイロ持ち込み」でしたが、原因は「毛布の持ち込みによる静電気」による爆発でした。付き添いまでが爆風で死亡、治療室全壊というレベルです。とにかく発火源があれば何でも燃えます。

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