重症筋無力症のメカニズムと確定診断と治療法

kensa

全身の筋肉の筋力が落ちてくる病気で、発病当初は周りから見ても気付かない程度の軽い筋無力症の症状ですが、長い年月を経て次第に悪化していくと重症筋無力症となり、呼吸筋や心筋が弱くなっても放っておくと生命の危険に及ぶことがあります。現在では受容体阻害剤などの治療薬によって症状は改善されて完治も期待できるようになっています。とはいえ、筋力低下が大きいと対症療法に頼ることになるため、公費負担の難病に指定されている疾患です。

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ー重症筋無力症の原因と症状ー

遺伝する確率は12%程度で、免疫系の機能不全が引き起こす筋肉と神経の伝達の障害が原因です。重症筋無力症の母親からは、胎盤を通して疾患の原因物質が胎児に移行しますが、出産後は軽い筋力低下があるものの88%は数週間で治ります。残りの12%は一過性の軽い筋無力症から次第に重症化していきます。

男女を問わず小児から高齢者までほとんどの年齢で発症する可能性があり、特に20~40歳の年代の女性に多いという統計結果もあります。筋肉を使った後に筋力低下が起きて、休むと回復するのが特徴です。次第に悪化していくと全身に症状が現れて呼吸困難に陥ることもあります。

最初は目に症状が出る事が多く、瞼が重くなったり複視や斜視を伴うことがあります。運動後や疲れた時に軽い筋力の低下が出る事が多く、安静にしていると筋力が元に戻るため、親は病気の子供に対して「怠けているのではないか」という判断をするため、治療が遅れる事により治癒が期待できなくなることも考えられます。

ー筋無力症の原因とメカニズムー

筋肉を動かす正常な働きとしては、脳からの指令によって神経終末から筋肉に向けて神経伝達物質(アセチルコリン)が遊離されて、筋肉側のアセチルコリン受容体に結合した時点で筋肉の動きを制御しています。しかし原因不明の自己抗体の産生によって、受容体が攻撃されることで筋肉への神経伝達が行われなくなります。

発症した患者には胸腺の肥大や甲状腺中毒症が見られます。しかし胸腺と筋無力症との相関関係は不明であり、解明されない部分が多いため、判明されている範囲で対症療法が行われるのが現状です。

ー重症筋無力症の確定診断ー

検査所見として、筋力が落ちた時に治療薬の効果があるか?という、エドロホニウムを用いた抗コリンエステラーゼ検査があり、大半がこの検査だけで重症筋無力症と判明します。

公費負担に適応するか?という意味では、上記の検査に加えて、理学所見として瞼の筋力低下による眼瞼下垂や嚥下障害、呼吸困難、眼球運動障害、複視、四肢筋力低下、易疲労性、のいずれか一つに加えて、その症状が朝と比較して夕方の方が悪化する、などの2項目で認定されます。

もし、眼筋麻痺、四肢筋力低下、嚥下障害、呼吸障害があれば、他の難病と区別するための鑑別診断の対象となり、他の疾患の可能性がなければ重症筋無力症として公費負担の対象になります。

治療法としては、多種にわたる症状に対して対症療法が行われるため、免疫抑制剤だけでなく、免疫グロブリンの静注により免疫機能の調整が行われます。維持療法としては糖質ステロイドが有効な場合もあり、呼吸不全には機械的換気、さらには胸腺の摘出により根本的な原因を取り除く手術も行われることがあります。

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