乳がんの遺伝的要因、その他の些細なリスクの誇張表現に注

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乳がんとは乳房組織に出来る癌性の細胞で、日本人は欧米と比較すると発病する確率は約半分であり、約16人に1人の割合で発病するといわれています。リスク因子はある程度明らかになっているので予防は可能ですが、その大半は遺伝的要因となっています。

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ー乳がんとタバコの煙、その他の影響ー

喫煙や飲酒、昼夜が逆転するような不規則な勤務が原因になるという説もあります。しかし、それらはほんの一部であって、排除することは生活習慣病の予防と同じであってストレスを供なうため、禁煙がプラスの材料になるとは一概に言えない部分もあります。

乳がんに関しては喫煙が発がんの確率を高めるという疑わしい研究結果もあります。これはタバコの煙の有害物質が遺伝子修復能力を低下させるというもので、「タバコの煙に含まれる化学物質が、乳房の上皮細胞に悪影響を与えるのではないか?」という仮説に基づいて因果関係を解明する研究であるため、無理に結論付けた可能性も否定できません。

禁煙によって発がん率が低下したという追跡結果や統計結果がない限り、因果関係が明らかになったとしても統計上は何の意味も持たないということになります。

閉経後のホルモン補充療法や、脂質の多い食事やピルが影響するという説もあるようですが、統計上無視できる程度の数に過ぎません。

ー遺伝的要因と遺伝子異常による発病ー

遺伝子修復タンパクとして17番染色体にあるBRCA1はがん抑制遺伝子でもあり、この遺伝子の変異によって乳がんや卵巣がんを引き起こすことが明らかになっています。似たような性質を持ったBRCA2という13番染色体の遺伝子の変異によって乳がんを引き起こしますが、この遺伝子変異が与える影響として、卵巣がんや前立腺がん、膵臓がんなども引き起こす可能性があります。

この2つの遺伝子の変異が起こると、生涯で乳がんを発病する確率は最高で80%を超えるだけでなく、進行度が早くなることが問題となっています。両方の遺伝子に変異が認められた場合は、予防策として乳房を切除することがアメリカでは認められています。しかし、分子レベルで遺伝子損傷を修復する治療法が確立しつつあるため、予防としての切除は認められない方向に進んでいくかと思われます。

ー遺伝子修復酵素阻害剤による治療ー

遺伝子修復酵素阻害剤としてPARPという分子を標的とした治療薬が臨床段階にあるという朗報もありますが、iPS細胞による遺伝子修復のどちらが治療法として有効なのか?という問題も出てくることになるかもしれません。現在や将来の遺伝子治療として、遺伝的疾患は理論的に全て治療可能であり、予防法の確立と遺伝子治療に期待できる時代になってきました。

第1度近親者に2人以上乳がん患者がいる場合は、生涯の乳がん発病率が50~85%になりますが、第1度近親者に2人存在しない場合は発がんの危険性がほとんどないため、BRCA1、BRCA2のスクリーニング検査は必要ありません。

※第1度近親者とは、両親、子供の親族一親等に加えて、兄弟、姉妹を含み、主に遺伝性疾患に関する用語となっています。乳がんに男女の別は関係ありません。

乳がんの早期発見のためには、医師による臨床胸部診療(要するに乳房の触診です)または、自己触診、X線によるマンモグラフィーがありますが、医師に触診を任せるのが最も確実です。

もし、悪化してステージⅡB以上に進行した場合は手術になりますが、患者の意思を尊重する場合が多いため、手術による治療に関しては何とも言えません。ⅡAでは無治療の場合の10年生存率が80%以上となっています。

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