
睡眠障害を大きく分類すると、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、過眠症があります。それぞれの睡眠障害の患者を診る診療科として、精神科や心療内科の睡眠外来では、自覚もなく突然眠ってしまうナルコレプシーをはじめとして、うつなどの精神障害による入眠時の焦りとイライラによる入眠障害や慨日リズム障害を扱っています。耳鼻科や呼吸器科では睡眠時無呼吸症候群を主に扱い、睡眠障害を専門に扱っているスリープクリニックなどという個人病院も増えてきました。 スポンサードリンク
ー診療科による診察内容の違いー
病院によっては「検査のみで治療を行っていない」、「治療は行うが検査は他院で」という場合があるので、長引く検査が必要な症状であれば、入院施設のある呼吸器内科で検査と治療が行われます。症状が複数ある場合は、呼吸器内科や、耳鼻科、歯科、精神科が揃っている大学病院などの総合診療を行っている医療機関が望ましい場合もあります。
・精神科や心療内科の睡眠外来では、主に精神障害が原因の入眠障害と、ナルコレプシーを含む睡眠障害全般を扱うのが一般的です。ナルコレプシーの治療は行っていますが、ほとんどの場合、検査は他院の呼吸器科を紹介しています。
・呼吸器内科では睡眠時無呼吸症候群、いびき、を主に扱い、睡眠時随伴症(レム睡眠行動異常症)や、ナルコレプシーの検査と治療も行っています。過眠症を対象にした睡眠ポリグラフ検査も可能になっている病院が多くなっています。精神病の患者は診療の対象外になります。
※起床困難や昼夜逆転などの睡眠覚醒異常の診療を行っている病院はほとんどありません。
ー睡眠障害の症状別分類と治療ー
【ナルコレプシー】最も深刻で危険な睡眠障害として過眠症に分類されるナルコレプシーがあります。日中に急に眠ってしまう脳疾患であるため、車の運転は医師によって禁止されます。レム睡眠とノンレム睡眠の間で中途覚醒するのが特徴で、入眠時と途中覚醒時に金縛り(入眠麻痺)を起こす頻度が多くなります。睡眠発作が起きた時に幻覚や幻聴があるので、現実と夢の境がわからず、時間の概念を失うと言われています。
治療法としてはメチルフェニデートによる薬物治療が行われていましたが、現在ではモダニフィルが第一選択薬になっています。中枢神経に作用しないタイプの覚醒促進剤として使われています。
【レストレスレッグス症候群】通常の規則正しい睡眠では夜中と朝に3回の覚醒がありますが、この障害を持つ患者の場合は、深い睡眠に入る事がなく、10回以上にわたって覚醒を繰り返して下肢のむずむずした感覚やじっとしていられないなど、多種の症状を訴えることがあります。症状の悪化によってうつ病を発症することもあり、睡眠障害が続いた結果、衝動的に自殺を図る患者もいるほどの深刻な病気となっています。

コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。