猫や犬からの感染症と、人間の性格まで変えてしまう原虫

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「猫ひっかき病」という妙な病名がありますが、猫を室内で飼うようになり、人間の生活が密接になると、バルトネラ菌が原因菌となり、猫の爪や蚤を介してヒトに感染を起こすことが分かっています。トキソプラズマという原虫の最終的な宿主は猫であり、パスツレラ菌は猫の常在菌となっています。それぞれ免疫力が低下している人間に感染・発症させて、中枢神経に様々な影響を与えることがわかっています。

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ーバルトネラ菌感染と症状ー

バルトネラ菌による猫ひっかき病では、感染している猫からネコノミや犬を介して人間に感染するというものです。特に菌を保有した猫の爪にバルトネラ菌が溜まっているので引っ掻かれると感染します。近年では人間から検出されるノミの大半はネコノミであり、この菌に陽性反応を示す人間も増えています。

ヒトが感染しても無症状であるか、軽症のまま自然治癒することが多くなっています。免疫力が完全ではない小児や、低下している高齢者、基礎疾患を持っている場合に感染すると発症しやすくなります。最初に発疹などの皮膚症状が出たのちに頸部リンパ節の腫れや痛みがあり、発熱を伴うこともあります。リンパ節の腫れが最も特徴的で、鶏卵大になることもあります。重症化すると脳炎・心膜炎・骨髄炎・視神経炎・結膜炎・肺炎などの炎症を起こします。

病院では菌の特定に2週間程度かかるため、症状からスクリーニングを行って菌の特定をしないまま抗生物質の投与を行うことで早期に軽快すると言われていますが、抗生物質の投与以外に確立された治療法はありません。肝機能障害や脳炎・心膜炎があれば対症療法が行われますが、免疫機能が低下していれば4~6週間の抗生物質投与を行います。免疫不全の患者が感染すると致死的な状態にまで症状が進行することもあるので、マクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質投与を無期限投与を続けます。

猫の15%は保菌しており、猫は無症状のまま18か月以上保菌を続けると言われています。そのため飼い主が気付かないというのも感染の原因の一つになっています。猫を室内で飼うことが増えてきたこともあり、今後は猫やノミを介した感染により免疫抑制剤を使用している自己免疫疾患など、発症する患者が増えてくると思われます。

ートキソプラズマ感染と症状ー

トキソプラズマとは単細胞の原虫ですが、感染経路としては加熱不足の食肉が多く、次いで猫からの感染や、ヒトの胎盤から胎児に伝染します。最終的な宿主は猫の腸内であり、糞尿中に存在しているため、飼い猫が保菌している場合はヒトへの感染は避けられません。免疫系が正常であれば、感染しても発症する確率は極めて少ないですが、免疫抑制剤を使用している場合は要注意です。妊婦がトキソプラズマに感染すると胎児に影響を及ぼすため血液検査が必須になります。

潜伏期間にバラつきがあり5~20日後に発症すると言われています。健康な人が感染、発症した場合はリンパ節の腫れや発熱を伴って風邪のような症状が出る事があり、筋肉痛や疲労感を感じる事もあります。

免疫系に問題がある患者や妊婦は発症率が高く、進行していくと重症化します。心筋炎や肺炎を起こす事もありますが、中枢神経に影響が及ぶとトキソプラズマ脳症を起こします。脳症を起こすと片麻痺や視野狭窄などの神経症状や精神症状が現れることもあります。

トキソプラズマはネズミの脳に影響を与えて猫への恐怖心を失わせて、逆にネコの尿の匂いに引き寄せられるということが知られています。ネズミだけでなく人間の脳にも影響があり、感染した人間の男性は猫の尿に対して好意的な反応を見せ、女性は逆の反応があるという実験結果があります。トキソプラズマが人間の脳に与える影響は大きく、数多くの精神病と関係しているという仮説に基づいて研究が行われています。

予防法は現在のところ見つかっていません。

ーパスツレラ菌の感染症状と治療ー

猫のパスツレラ菌の保菌率は口内に100%、爪に70%程度と言われています。猫の常在菌であるため、猫のほとんどは無症状のまま保菌しています。近年の”YouTube”、”ニコ動”、”Twitter(ついっぷる)” に至るまで「我が家のペット紹介」に端を発したペットブームに伴って、人の感染者も急増しています。

人が感染した場合は、噛まれた部分に発赤がある程度ですが、免疫力が低下していれば進行していった場合、敗血症や骨髄炎を起こして死亡例もあるほどです。空気感染によって呼吸器系に感染を起こして、肺炎や気管支炎、副鼻腔炎などを起こすため、要注意です。噛まれた場合は、カプノサイトファーガ-カニモルサス菌も猫の口内にある細菌なので、他の菌と同じような症状を引き起こします。

噛まれた時の治療法として、テトラサイクリン系抗生物質の有効菌種が多いので有効ですが、ペニシリンに耐性がある場合も多いので、オーグメンチン(アモキシシリンとアモキシシリンの分解酵素阻害剤)を使用するのが一般的です。

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