『大海賊』の配役表を開くと、エミリオ、エレーヌ、エドガー、ラッカム、キッドと、いくつもの名前が並びます。海賊の役も多く、初めて観る前には「誰が味方で、誰が敵なの?」と迷うかもしれません。
そこで最初は、2015年星組版のエミリオ、エドガー、エレーヌの3人からたどってみましょう。恋する相手と、復讐したい相手がどうつながるのかが見えると、あらすじがぐっと読みやすくなります。ここでは公開されている作品紹介と配役をもとに、結末には踏み込まず、物語の入口を案内します。
- 2015年星組版の配役では、エレーヌはエドガーの妹です。
- 海賊という肩書きが同じでも、エミリオにとっての立場は違います。
- 2024年宙組版を探すときは、役名と出演者を分けて確認します。

エミリオは、最初から海賊として育ったわけではない
舞台は17世紀後半のカリブ海。2015年の公式作品紹介では、両親を殺されたエミリオが、復讐のために海賊となる物語として案内されています。家族を失ったことが、彼を海賊の道へ向かわせます。
2024年版の作品紹介では、エミリオはサンタカタリーナ島の総督の息子と説明されています。イギリス海賊エドガーの襲撃に遭い、海賊船エスペランサ号の海賊たちがいる島へ流れ着き、修行を経て船長になる、という経過が紹介されています。
こうして読むと、配役表にある「エミリオ(海賊)」の一言では見えなかったものが分かります。同じ海賊でも、もとの暮らしがあり、そこから変わってきた人物なのです。最初から肩書きだけで人物を覚えようとするより、何があって海賊になったのかを押さえると、彼が何を望んでいるのかを追いやすくなります。
ただし、2015年版と2024年版の紹介を読んだからといって、台詞や場面の順序まで同じだと決めつけることはできません。
2015年版では、エレーヌは復讐相手の妹
2015年星組版の公式配役表には、妃海風が演じるエレーヌについて「エドガーの妹」と記されています。そしてエドガーを演じるのは十輝いりす、エミリオは北翔海莉です。
エミリオから見れば、エドガーは復讐の相手。その妹が、恋する相手のエレーヌです。敵を追う気持ちと、彼女を思う気持ちを、別々の話として切り離せない。このつながりを知っておくと、「なぜこの恋はすんなり進まないのか」を考えながら観られます。

エミリオがエドガーを憎んでいても、エレーヌへの恋は別です。けれど彼女には、そのエドガーとの兄妹のつながりがある。復讐を望む青年が恋をしたことで、相手の家族まで無関係ではいられなくなります。名前の暗記より、この3人を覚えておく方が、舞台の会話を追う助けになります。
この人物図は2015年星組版の配役・作品紹介に基づくものです。2024年宙組の公式紹介では、エレーヌはイギリス貴族の娘と説明されていますが、この紹介文だけで「兄妹ではなくなった」「設定が変更された」とまでは言えません。紹介の詳しさが違う場合もあるためです。
ラッカムとエドガーを一緒にしない
配役表に海賊が何人も並ぶと、みんな同じ仲間のように見えてしまいます。でもエドガーと、ラッカム船長は、エミリオとの関わりが異なります。
ラッカムは海賊船の船長。エミリオの復讐相手として読むべき名前はエドガーです。「海賊」という職業の欄だけを手がかりにすると混乱しますが、船長の名前、敵の名前、主人公の名前と、役割を分けて置くと整理できます。
2015年の配役には、ラッカムの娘アンも登場します。演じるのは音波みのりです。また、エレーヌの姉マリアは白妙なつ。物語の中に家族のつながりが複数あるので、「娘」「妹」「姉」といった短い説明を飛ばさずに読むと、人物を取り違えにくくなります。
一人の出演者が二役でも、登場人物は別
もう一つ、配役表ならではの注意があります。2015年版で大輝真琴が演じる欄には、エミリオの父ペドロ・フェルナンデスと、ウィリアム公爵が併記されています。
これは出演者が二つの役を担うということです。配役表の一つの欄に並んでいるからといって、登場人物同士が同一人物なのではありません。相関図を作るときも、一人の出演者を一つの人物としてまとめてしまうと、関係を誤ってしまいます。
映像を観る前に全部の役を覚える必要はありません。最初は3人、次にラッカムやキッド、気になったら家族や仲間へ、と少しずつ広げていけば十分です。登場するたびに配役表へ戻るより、まず物語を楽しみ、見終えてから気になった人を調べる方法もあります。
2015年星組と2024年宙組、役名をそろえて比べる
『大海賊』は、2001年に紫吹淳を中心とする月組で初演されました。2015年は北翔海莉・妃海風の新トップコンビのお披露目公演として再演され、その後2024年には芹香斗亜・春乃さくらを中心とする宙組で上演されています。
ここでは2015年と2024年の主な5役だけを並べました。出演者名を一度に大量に覚えるより、同じ役を誰が担ったかを横に追うと、次に観たい映像を探しやすくなります。
| 役名 | 2015年星組 | 2024年宙組 |
|---|---|---|
| エミリオ | 北翔海莉 | 芹香斗亜 |
| エレーヌ | 妃海風 | 春乃さくら |
| エドガー | 十輝いりす | 瑠風輝 |
| ラッカム | 美稀千種 | 松風輝 |
| キッド | 礼真琴 | 桜木みなと |
たとえばキッドに注目しているなら、2015年版は礼真琴、2024年版は桜木みなと、と役名を固定して探せます。出演者の過去の役をたどりたい方にも、この見方は役立ちます。

お芝居のあとのショーも、公演ごとに違う
同じ『大海賊』でも、一緒に上演されるショーは異なります。2015年星組は『Amour それは・・・』、2024年宙組は『Heat on Beat! -Evolution-』との二本立てです。
お芝居をきっかけに出演者へ興味が湧いたら、そのあとに続くショーで別の姿を楽しむ、という選び方もできます。ただし配信や映像商品では、お芝居とショーが分かれていることがあります。「2015年の公演が観たい」のか、「『大海賊』のお芝居だけ観たい」のかで、探す商品が変わります。
配役だけでなく併演作品もメモしておくと、別の収録映像を選んでしまうのを防げます。海賊の世界を楽しんだあと、ショーへ気分を切り替えるところまで含めて選ぶか、まずお芝居1本から入るか。自分の観たい範囲で決めて大丈夫です。
2024年宙組版を配信で探すなら、11月15日の予定を確認
宝塚歌劇の動画配信サービス公式案内には、2026年11月15日配信予定の作品として『大海賊(24年宙組・全国)』が掲載されています。11月2日の時点では、これからの予定です。すでに全配信先で観られる、という意味ではありません。
予定日が近づいたら、公式の配信案内から利用するサービスへ進み、作品名と収録年を確認してください。料金や対象プラン、開始日・期間は配信先によって異なることがあります。視聴できる端末の条件も、利用先で確かめます。
2015年版の人物関係を入口にして、2024年版の配役へ進む。名前ばかりだった配役表が、観たい人物を探す手がかりになれば、再演作品を選ぶ楽しみも増えていきます。


