星組の暁千星さんを観て、月組時代の作品も気になったら、最初の一本に2015年の『A-EN(エイエン)』を。探すときは作品名の後ろにARI VERSIONを添えてください。『A-EN』には朝美絢さんが主演した別バージョンもあります。
暁さんが演じるアリエルは、絵を描くのが好きな転校生です。星組での大劇場トップお披露目公演『恋する天動説』では、仲間を率いるアレックスを演じています。役柄の差が大きいこの二作を並べると、暁さんの舞台を次にどこから観るか、自分なりの入口を見つけやすくなります。
- 月組のバウホール公演初主演は『A-EN』ARI VERSION。アリエルを演じました。
- 星組の大劇場トップお披露目は『恋する天動説』『DYNAMIC NOVA』。芝居ではアレックス役です。
- 同じ『A-EN』でも、朝美絢さんのARTHUR VERSIONとは主人公も物語の出発点も違います。

『A-EN』には、プロムへ向かう二つの話がある
2015年の月組バウホール公演『A-EN』は、第1幕が学園ものの芝居、第2幕がショーです。芝居『PROM LESSON』の舞台はアメリカの高校。プロムは、卒業シーズンに開かれるダンスパーティーのことです。舞台の中心にあるのは同じ行事でも、朝美さんと暁さんは、それぞれ別の人物を演じました。
暁さんのアリエルは、相手からレッスンを受ける
暁さんが演じるアリエル・スターレットは、美術部にいるアニメーター志望の転校生。海乃美月さんが演じるチア部のマリッサと出会い、プロムに向けて彼女の手を借りることになります。目指す仕事がすでにある人が、人づきあいや見られ方では相手の力を借りる。そこにアリエルの面白さがあります。
一方、朝美さんが主演する版では、アーサーが相手にレッスンをする側に回ります。同じ年の同じ公演名でも、一方を観ただけではもう一方の物語はわかりません。二本そろえて観られる機会があったら、「相手に何かを教えようとする人」と「相手に教わる人」で、最初の会話の力関係がどう違うかに目を向けてみてください。

| 確かめたい欄 | 暁千星さんの回 | 朝美絢さんの回 |
|---|---|---|
| 番組・公演表記 | ARI VERSION | ARTHUR VERSION |
| 主人公 | アリエル | アーサー |
| プロムを前に | 相手からレッスンを受ける | 相手にレッスンする |
| 2015年の上演期間 | 9月14日~23日 | 8月29日~9月7日 |
暁さんの主演版を探しているときは、「A-EN」の下にある「ARI VERSION」と出演者名を確認してください。
アリエルを観たあと、アレックスの登場を待ってみる
一人でやって来る転校生と、仲間のいるモッズ
『恋する天動説』の舞台は、1960年代の英国ブライトン。暁さんが演じるアレックスは、スクーターに乗るモッズのリーダー格です。ある騒ぎで警官に追われ、高級ホテルに飛び込みます。そこで詩ちづるさん演じるシンシアに、まだ会ったことのない花婿だと思われてしまいます。
アリエルは、転校した先でどう見られるかが気になる人物。アレックスは仲間の中では知られた顔なのに、ホテルへ足を踏み入れたとたん、別の人間だと思われます。観比べるなら、役が初めて入った場所で、相手の目にどう映るかを手がかりに。学校とホテルという場所の違いも、相手に合わせた声の出し方や距離の取り方に目を向けるきっかけになります。

相手役を見ると、主人公が置かれた立場がわかる
マリッサは、アリエルが学校の中で人と関わるきっかけを作る人物。シンシアは、出会ったときからアレックスを別の立場の人だと信じています。どちらも暁さんの役を動かす相手ですが、出会う前から抱えている事情は異なります。暁さんの台詞だけを待つより、相手の表情が変わるところまで一緒に見ると、場面が転がり出す瞬間を拾いやすくなります。
二本を続けて観る時間がなければ、冒頭から相手と出会うあたりまで比べるだけでも楽しめます。そこから先は、プロムの日を迎える高校生を見届けたいか、取り違えから始まった関係の行方を知りたいかで選べます。先に星組の公演を観ていた人なら、月組の暁さんに戻って、役の立場が変わると舞台上の視線の行き先もどう変わって見えるか、確かめてみてください。
もっと月組時代を観るなら、何を手がかりに選ぶ?
「初主演」の記録は、公演の種類まで読む
暁さんが新人公演で初主演したのは2014年の『明日への指針』。翌2015年の『A-EN』は宝塚バウホール公演での初主演です。2017年には『Arkadia -アルカディア-』でバウホール公演の単独主演を務めています。プロフィールでどれも主演作として目に入りますが、2014年は本公演と配役を替えて上演する新人公演、2015年は期間を分けて二人がそれぞれの版で主演する企画です。
過去の番組表や公演データを開いたとき、まず公演名、それから組と劇場、最後に「新人公演」「バウ」「千秋楽」などの表記を見てください。観たいものが『A-EN』なら版名が大切ですし、『明日への指針』で暁さんの主演を探すなら「新人公演」が手がかりになります。
もう一つの好きな役なら、ニコラスへ
学園ものから別の方向へ進みたくなったら、『ブエノスアイレスの風』のニコラス・デ・ロサスも、暁さんが公式プロフィールに挙げている役です。月組時代の2022年の出演作で、公式の星組トップスター紹介にも載っています。『A-EN』から月組の作品を続けて観たい人なら、まずこの一本を候補に入れておけます。星組での現在の印象から月組へさかのぼる人と、月組時代の中で役柄を見比べたい人とでは、同じ出演歴でも次に開くページが違ってきます。
映像、放送、音源は、商品名の次に収録内容を見る
タカラヅカ・スカイ・ステージの2026年1月の番組案内には、『A-EN』ARI VERSIONの2015年月組バウホール千秋楽が掲載されていました。過去の放送を探すときはこの表記が目印になります。これから観られる放送を調べる場合は、番組表の日付も確認してください。
キャトルレーヴオンラインには、暁さんが選んだ公演曲のライブ音源集『Applause AKATSUKI Chisei』があります。収録曲には『A-EN MOONRISE』も入っています。これはショーの曲を耳で楽しみたいときの手がかりです。アリエルとマリッサのやりとりを観たいときは、曲名で出てきた商品より、公演映像の番組詳細を開いてみてください。


