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ユーノスコスモの「3ローター・ツインターボ」、3と2は何を数える?20Bを部品から見てみよう

1990年のユーノスコスモをイメージした赤いクーペの扉絵 車
イラスト:当サイト制作。参考:マツダのユーノスコスモ紹介。車の外観をイメージしたオリジナルイラストです。

「3ローターのツインターボ」と聞くと、同じエンジンに数字が二つ出てきます。三つなのか、二つなのか。ロータリーに詳しくない方なら、そこが最初の疑問になるかもしれません。

三つなのは、燃焼で動力を生むローター。二つなのは、空気を送り込むターボチャージャーです。1990年に登場したユーノスコスモの3ローター仕様は、この二つの仕組みを組み合わせていました。

要点

ローターとターボの部品の違い/三つのローターを数える見方/シーケンシャル・ツインターボと、コスモスポーツとの区別。

三角形のローターは、エンジンの中で動力を生みます

一般的な自動車のエンジンでは、筒の中のピストンが上下します。ロータリーエンジンで働くのは、おむすびのような形のローターです。燃焼によって、この部品が回り、動力を生みます。

ローターの外側を囲う部品がハウジング。ローターが動くことで、その周囲の空間の大きさが変わります。マツダは、繭型の空間で吸気・圧縮・燃焼・排気を行う仕組みとして説明しています。

曲線を持つ三角形のローター単体を描いた部品イラスト
イラスト:当サイト制作。参考:メーカー公開資料。形状・配置は理解のために整理したイメージで、実車の寸法・加工・整備を示す図面ではありません。

「三角形だから3ローター」ではありません

ローターには三つの頂点があります。でも、頂点が三つあることを、3ローターとは呼びません。一つの三角形の部品は、1個のローターです。

3ローターなら、この部品を3個使います。部品の形と、エンジンに入っている個数は別の話。まず一つのハウジングの中にあるローターを見つけてから、奥行き方向にいくつあるかを見てみましょう。

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私は、最初にターボの写真から離れ、三角形の部品だけを探します。「回るもの」という言い方だけだと、ターボの羽根と混ざってしまいそうですね。

3ローターは、同じ軸の方向に三つ並べる考え方

3ローターの説明では、ローターとハウジングの組を、軸の方向に並べて見ます。各ローターは、それぞれのハウジングの中で動きます。

マツダの100周年サイトは、ユーノスコスモの3ローター仕様を、量産車として世界初搭載となった仕組みとして紹介しています。ここで注目したいのは、最高出力だけでなく、燃焼を受け持つ部品が増えたことです。

三つのローターを軸方向に並べ、個数を見せた説明用イラスト
イラスト:当サイト制作。参考:メーカー公開資料。形状・配置は理解のために整理したイメージで、実車の寸法・加工・整備を示す図面ではありません。 個数と軸方向だけを示し、実際の軸形状・ローターの回転位置は再現していません。

図では、配管より先に三つの本体を数えます

実際のエンジンには、吸排気や冷却などの部品が付きます。そのまま写真を見ると、本体のどこにローターがあるのか、分かりにくいことがあります。

そこで画像では、個数と並び方を見せるために、各部を離して描いています。軸の形や、三つのローターの実際の回転位置を再現したものではありません。組み付けの寸法、内部油路、歯車の詳細を示す整備図ではありません。三つのローターがどの方向に並ぶのかを理解するための説明です。

補足

ユーノスコスモの車名だけで、手元の個体が3ローター仕様だとは判断できません。中古車の仕様や改造歴を調べる場合は、車両とエンジンの型式、販売時の資料を合わせて確認します。ここでは20Bの3ローター仕様を主題にしています。

ターボは、ローターとは別の場所で空気を送り込む

ターボチャージャーには、排気で回るタービンと、吸気を圧縮するコンプレッサーがあります。二つの羽根車が軸でつながり、排気のエネルギーを使って、エンジンへ入れる空気を圧縮します。

ローターは、混合気を燃やして動力を生むエンジン本体の部品。ターボは、そのエンジンへ送る空気に関わる装置です。「3ローター」と「ツインターボ」は、違う部品の個数を表しています。

表記の比較
表記数えるもの役割
3ローターローター3個燃焼による動力を生む
ツインターボターボチャージャー2基エンジンへ送る空気を圧縮する

表は左右にスクロールできます。表の参考:マツダ100周年:ユーノスコスモ

ローターが3個だからターボも3基必要、という対応ではありません。仕様の数字を読むときは、3の後ろにローター、2の後ろにターボ、と部品名を付けてみると混ざりにくくなります。

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私なら、写真を見るときも「エンジン本体」と「空気を送る装置」を別々に探します。ローターの数とターボの数が分かると、諸元表の短い一行からも構造を想像しやすくなりますね。

シーケンシャルは、二基を使う順番に工夫がある

マツダは、ユーノスコスモの3ローターと、シーケンシャル・ツインターボの組み合わせを紹介しています。シーケンシャルは、順番に働かせる考え方を表す言葉です。

マツダの車史では、低回転域向けと高回転域向けの二つのターボチャージャーを組み合わせて過給すると説明しています。二基の働かせ方を工夫した方式として読みましょう。

低回転域向けと高回転域向けのターボの使い分けを色で示す概念イラスト
イラスト:当サイト制作。参考:メーカー公開資料。形状・配置は理解のために整理したイメージで、実車の寸法・加工・整備を示す図面ではありません。 色は作動の違いを示し、実際のガス流路・配管・切替回転数は示していません。

ターボの配管まで、概念図から決めつけない

画像では、働くターボの数の違いを強調しています。実車には運転状態に応じた制御や通路があり、図の二つの部品をそのまま配管で結べば再現できるわけではありません。

注意

図は20Bの正確な配管図や、二基目が加わる回転数を示していません。改造・調整や故障診断の手順には使わず、実車を扱う場合は対象仕様の整備資料と専門店へ確認してください。

3ローターは、豪華なクーペのためにも選ばれました

マツダの100周年紹介は、ユーノスコスモの回転の滑らかさについて、V型12気筒エンジンに匹敵するとも評価されたと振り返っています。メーカーが振り返る当時の評価です。

注目したいのは、紹介の力点が速さだけに置かれていないことです。内装には高級素材を選び、乗った人が上質さを感じられる空間を目指したとされています。ローターを増やしたエンジンを、贅沢な時間を過ごすクーペと組み合わせた。レーシングカーとは異なる、ロータリーの使い道が見えてきます。

マツダの車史には、最高出力280PS、最大トルク41.0kg-mという当時の値も残っています。出力とトルクは性能の数値で、3ローターと2基のターボは部品の個数です。カタログで同じ行に並んでいても、それぞれ何を説明している値かを添えて読むと理解しやすくなります。

昔のカタログでは、ナビゲーションにも注目です

同じ車史では、GPS機能を備えた移動体通信システムを採用したことも紹介されています。いまはスマートフォンで地図を見ることが日常ですが、1990年の高級車では、移動中に位置を把握する装備も先進性を伝える要素でした。

エンジンの部品図を見たあとに、室内や装備の資料も開いてみてください。この大きなクーペが、どんな時間を運転する人へ提供しようとしたのか。機械の数字と車内の写真が、一台の車としてつながってきます。

コスモスポーツとユーノスコスモは、別の時代の車です

「コスモ」と聞いて、低い白いスポーツカーを思い浮かべる方もいるでしょう。マツダが最初にロータリーを搭載したコスモスポーツは1967年の車です。

一方、今回のユーノスコスモは1990年4月に発売された4代目コスモ。名前のつながりはあっても、今回の3ローターやツインターボの説明を、そのまま1967年の車へ当てはめることはできません。

車の比較
車登場この記事で区別すること
コスモスポーツ1967年5月マツダ初の量産ロータリー車
ユーノスコスモ1990年4月今回は20Bの3ローター仕様を紹介

表は左右にスクロールできます。表の参考:マツダ100周年:ユーノスコスモ

マツダの紹介では、ユーノスコスモは、高級な素材を選び、上質な空間を目指したパーソナルクーペでした。ロータリーの歴史を、レース用のエンジンだけで見るのとは違う一面があります。

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私は、ロータリーと聞くとスポーツカーを思い浮かべますが、豪華なクーペを目指したコスモにも目を向けたいです。同じ方式を、どんな車のために使ったのかまで読むと楽しくなりますね。

ユーノスコスモの資料を見るときは、まず3ローター仕様なのかを確認。そのうえで、三角形の本体と、別の装置であるターボを探してみてください。数字を部品へ戻して眺めると、複雑そうだった機械が少しずつ読み解けます。

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